検索窓
今日:9 hit、昨日:12 hit、合計:327,352 hit

166 ページ16

しばらくその状態でいたのに、重岡くんは突然離れて、周りをキョロキョロ見渡しだした。




その目が尋常じゃないくらい警戒してて、思わず吹き出して笑ってしまう。







「なに、どうしたの?」


「いや。ぜっったい神ちゃんとかどっか隠れてるやろっ」


「神ちゃんは合鍵でも持ってるの?」


「持ってへんけど、何らかの裏技を使って…!」


「ふふふ、野良猫みたいな警戒心だね」








私が全く動じてないのを見て、やっとこれは冗談じゃないと思ったのかキョロキョロするのを止めた。








「まだ信じられへんのやけど…」


「…どうして?」


「だって、俺が言うのも何やけど、俺やったら藤井さん選ぶで?俺か藤井さんやったら…」


「なら、流星くん選ぼうか?」


「いや、アカンけどっっ!!!




…そんくらい、信じられへんのやって…」


「…うん。私も信じられないよ、自分が」


「ほらっ!ほらな、騙すんなら大概やで、お前ほんま悪魔みたいな女やなっ」








気持ちを伝えるまでは、私は超緊張してた。




だけど、あまりの重岡くんのうろたえぶりに、逆にどんどん冷静になっていく。


私がしっかりしなきゃ、みたいな感じで。







「そんなんじゃないってば。

…じゃあ、どうしたら良い?何て言えば信じてくれるの?」


「分からん…それくらい、信じられへん…」


「そっか…ごめんね。私がずっとハッキリしなかったからだよね…」







この山のように高い警戒心、どうしたら崩せるんだろう。







しばらく考えていると、フワっと抱きしめられた。







「……ほんまならさ……」


「……うん…」


「帰さんでもええよな…?今夜」








それって、つまりそういうことで







もう、断る理由は無いから






「…うん。いいよ」








胸の中で、小さく頷いた。

167→←165



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1040 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3442人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ひろちゃん(プロフ) - 何回読んでもいいお話( ; ; )占ツクで散々色んなの読んできてどれも素敵だったけど、ほんとにほんとにこの作品が一番大好きです(>_<)物語も綺麗でほんとに大好きな作品です!これからもたくさん書いてください!ほんとにファンです!! (2019年1月4日 1時) (レス) id: b3980d9be3 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 恋夏さん» コメントありがとうございます^_^読み手の方に少しでも喜んで頂けた作品になり、とても嬉しく思います。最後まで読んでくださりありがとうございました! (2018年10月3日 19時) (レス) id: df93a5c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - green songさん» お返事が遅くなり申し訳ありません(;o;)久しぶりに自分で読み返してみて、改めて重岡くんみたいな人が側にいたら良いのに…と自画自賛してしまいました笑。拙い文章でしたが、喜んで頂けて嬉しいです。最後まで読んでくださりありがとうございました! (2018年10月3日 19時) (レス) id: df93a5c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
恋夏 - 最後本気で号泣してました!とてもいいお話でした。最高です! (2018年10月1日 22時) (レス) id: bda6d95fa7 (このIDを非表示/違反報告)
green song - とてもいいお話でキュンとしました!!また読み返したくなるお話です!また素敵なお話をお願いします!! (2018年3月28日 12時) (レス) id: 702ccfe687 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:さくら | 作成日時:2018年3月11日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。