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結構捨て身で頑張った週末は、何とも掴み所のないまま過ぎていってしまった。







ていうか、あんだけ気持ち伝えても振り向いてもらえないってことは、そろそろ諦める方向も考えた方がええんかな。





隣の席では浮かれモードな岡野が何やら鼻歌まで歌ってる。

ええなぁ、幸せな人は。






「何、何か用?ジロジロ見て」


「別に。幸せそうで何より」


「ふふ、羨ましいでしょー」








くそ。

くそくそくそくそ。

世の中のカップルなんか、みーーーんなくそくらえ。








仕事帰りに一人で駅前のスーパーに寄って夕飯を買うのも定番。

寂しすぎやろ。俺。

毎晩高橋がうちに来て、ご飯一緒に食うてたのが嘘みたいやな。








値引きされたお弁当のどれを買うか悩んでいると、横に人影を感じた。




何気なくその人を見ると、存在に気づいてしまった自分を呪いたいレベル。







「あ…どうも」


「……こんばんは、藤井さん」








どうなんやろうな、実際。



この人と高橋は、どれくらいの距離にいるんやろう。



だけど、俺の顔を見て微妙な顔をした藤井さんを見る限りそんなに上手くいってるわけじゃない?









「夕飯ですか?買い物」


「はい、まぁ。重岡さんも?」


「まぁ…」








止まる会話と気まずい空気。



そりゃ、そうやな。俺ら一応ライバルなんやし。








「デートとかしないんですか?」


「はい?」


「ま、働いてると頻繁には無理ですかね。いくら同じマンションに住んでても」


「えっと…」


「あれ、俺何か余計な事言いましたね。すいません」








意味深な言葉を残して、藤井さんは去って行った。

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ひろちゃん(プロフ) - 何回読んでもいいお話( ; ; )占ツクで散々色んなの読んできてどれも素敵だったけど、ほんとにほんとにこの作品が一番大好きです(>_<)物語も綺麗でほんとに大好きな作品です!これからもたくさん書いてください!ほんとにファンです!! (2019年1月4日 1時) (レス) id: b3980d9be3 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 恋夏さん» コメントありがとうございます^_^読み手の方に少しでも喜んで頂けた作品になり、とても嬉しく思います。最後まで読んでくださりありがとうございました! (2018年10月3日 19時) (レス) id: df93a5c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - green songさん» お返事が遅くなり申し訳ありません(;o;)久しぶりに自分で読み返してみて、改めて重岡くんみたいな人が側にいたら良いのに…と自画自賛してしまいました笑。拙い文章でしたが、喜んで頂けて嬉しいです。最後まで読んでくださりありがとうございました! (2018年10月3日 19時) (レス) id: df93a5c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
恋夏 - 最後本気で号泣してました!とてもいいお話でした。最高です! (2018年10月1日 22時) (レス) id: bda6d95fa7 (このIDを非表示/違反報告)
green song - とてもいいお話でキュンとしました!!また読み返したくなるお話です!また素敵なお話をお願いします!! (2018年3月28日 12時) (レス) id: 702ccfe687 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さくら | 作成日時:2018年3月11日 10時

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