アンジュ・エ・デモン 2nd

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珍しく神ちゃんがグイグイ人の恋愛に踏み込んでくると思ったら、どうやら酔っ払ってたみたい。





ビール一缶飲み干して、真っ赤になって床に寝そべったと思ったら眠り込んでしまった。







「寝たな」



「うん。寝たね」







その姿を見て、重岡くんと顔を見合わせて苦笑い。



タオルケットを神ちゃんにかけてあげて、ふぅ、と小さくため息をついた。







「尋問凄かったな、刑事かと思ったわ」



「ほんと。普段こんな風に聞いてくるタイプじゃないからビックリしたよ」



「…どうやった？デート。映画やっけ」



「うん、楽しかったよ。

藤井さん見かけによらず天然でさ、結構可愛いなって思った」



「へー…。手繋いでたやん、本当んとこどうやったん？」



「…付き合わないかって言ってくれた。さっきまで藤井さんのお家で飲んでたんだ」



「おっ。凄いやん！おめでとう、念願叶ったな」







そう言って見せてくる笑顔を見ると、胸が痛くなる。

重岡くんは、私が流星くんと上手くいく事を喜んでくれてるのに。








「浮かない顔やな。迷っとるん？」



「うん、ちょっと。

…だってさ、私はずっとファンみたいなのだったけど知り合えたのは本当に最近だから急展開過ぎるし…



トントン上手く行きすぎてて、なんか…疑ってるわけじゃないけど…






あんな素敵男子が、私なんかを？って思っちゃうよ」







そうそう、上手く行きすぎだよ。


私騙されてるのかな？心の何処かでそう思ってしまう部分もあるのは嘘じゃない。








「時間は関係無いやろ。

ずっと好意があっても上手くいかん2人もいれば、出会ってすぐに付き合いだして幸せな2人もたくさんおるし。



そんな重く捉えないでお試しみたいに付きおうてみたら？ダメならそん時考えればええと思うけど」






重岡くんは、付き合えば良いって思ってるんだ。


それはつまり…







「…わかった。前向きに考えてみる」



「おん。ていうかな、贅沢やで！」



「ふふ、そうだね」









私たちは、友達なんだ。

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