アンジュ・エ・デモン 2nd

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さっきのキスは無意識の行動




重岡くんからしたら、私じゃなくてキスの対象はカスミって人。




だから、あれはノーカウントにしてしまえばこの場は平和に収まるから。

変に物分かりの良い私はそれを選択してしまう。








「なんで、香澄のこと…？」


「さっき�霤弔気鵑�言ってたから。

元カノさんもね、重岡くんに気持ちまだあるみたいだよ。



今からでも戻れるかもよ？ちゃんと話し合って、そしたら今度こそ遠距離でも上手く…

「無いから。俺は。未練なんか無い。

終わってんねん香澄のことは」







そんな風に真剣に言われても…






「そ、うなんだね。


…余興、元カノさんへの気持ちなのかなーとか少し思ったけど違ったんだ」



「あれは…うん、ちゃうよ。香澄は関係ない」



「でも、相手がいない歌には聞こえなかったよ。


重岡くんも好きな人いるんだ、頑張ってね」








なんとなく気まずくて、今夜の事は無かったことにしたくて、立ち上がろうとした。








だけど重岡くんは、思いつめたみたいな顔をして手首を掴んで、再び私を座らせる。









「ええの？言っても」


「何が…？」


「誰に向けて、あの余興の歌選んだのか」


「……」








勘違いじゃない、多分。






あの歌の最中に目が合った気がしたのも、誰に向けてあの曲を選んだのかも







「俺、たか…

「お好み焼き！」




「え…？」





「来週、残業がない時行こうね。約束だよ」









そう言って、手首を掴んでる重岡くんの手をそっと離した。

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