アンジュ・エ・デモン

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…


……






今の、意味深過ぎないか？







酔ってる私の何を知ってるの！！！







頭はいろんな事がぐるぐる回ってるけど、真実を知るのは重岡くんのみ。






ここはひとつ、やっぱ下手に出て教えてもらおう。






次の日、洗濯して乾いた重岡くんの物と思われるパーカーを持って部屋へ向かった。






ピンポン♪ピンポン♪






インターフォンを鳴らすけど、返事は無い。



まだ仕事中かな？

デスクにはいなかったから、帰ったのかと思ったけど…







連絡してみようとスマホをポケットから出した。







「ダメだ、知らないじゃん連絡先」







仕方ない、また改めて来るか。






諦めて出直す決意をした時、家の中からドタドタっと騒がしい音がした。







「な、んや。高橋か」


「なんやって…インターフォン鳴らしたじゃん」


「男はいちいち見んで、そんなとこ」


「ふーん……

ごめんね、忙しかった？」


「別に！アレや、あの…トイレ行っとったから！すぐ出れんかった」


「…そっか。あのね、コレ返しに来たの。

覚えてないとはいえ、重岡くんに迷惑かけたのは事実だから…ごめんなさい。

あと、ありがとうございました」







パーカーが入った紙袋を差し出して頭を軽く下げた。




ここまで下手に出れば、きっと重岡くんだって心を開いて話してくれるはず。









なんて









そんなの甘かったみたい。







差し出した紙袋はいつまでたっても受け取ってくれないし



頭上げて良いよって優しい言葉も無い。







あれ？


なんか、私のシナリオと違う。








恐る恐る顔を上げると、目に入ったのはどんな感情なのか読み取れない表情をした重岡くんだった。

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