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何の因果か、藤井さんが選んだお店は鶏料理が評判の和風居酒屋だった。
「敬語、外して良い?」
「もちろんです」
「高橋さんも外してよ」
「…努力します…」
対面で座るのも緊張するけど、混んでるからカウンターしか空いてなくて、並びで座る事になって余計に緊張する。
しかも、カップルシート。
ふんわり香水の香りもするし、藤井さんとの距離があまりに近くてめまいすら感じちゃう。
「何飲む?俺はビールだけど」
「んと…カシスオレンジで」
「可愛いの飲むね」
本当は、今日暑かったしビール飲みたいけど。
だけど初飲みでいきなりビールより、女子っぽくしたいから。
「ここ、焼き鳥も刺身も唐揚げも美味しいって聞いてさ。一度来てみたかった」
「そうなんだ…そういえば、私も聞いたことありますね。
来れて良かったです!」
藤井さんと、って一言は飲み込んだ。
いや、むしろ焼き鳥や唐揚げなんてかぶりつきたい系は失敗かな?
飲み物が来て、乾杯して、ビールを美味しそうに飲む藤井さんを真横で眺めながらうっとり。
せっかくのチャンスなんだし、ちゃんと仲良くならなくちゃ!
「今更だけどさ、高橋さん何才?」
「26です。今年27になります。藤井さんは?」
「俺もだよ。タメだったんだね。
じゃあ、ほんとに敬語ヤメよ。次使ったら罰ゲームね」
「えー…癖だし、いきなりは直せないよ」
「大丈夫だって。仲良くなりたくて仕事終わるの待ってたのに、いつまでも敬語使われてちゃダメでしょ」
「……待っててくれたんだ…」
さらりと言われた言葉に顔が赤くなってくる。
ほんと、毎日460円の出費して通って良かった…
正直お財布に厳しい時もあったけど、あの日諦めて缶コーヒーにしてたら、今夜のご褒美にはありつけなかったかもしれないし。
「高橋、何て言うの?下の名前」
「Aだよ。藤井さんは?」
「俺は、流星。じゃーAちゃんだね、これからは」
「流星…綺麗な名前だね…」
容姿とこんなに伴う人はいるのでしょうか、ってくらい。
「Aちゃんも、藤井さんはやめて流星って呼んでね」
「はい…努力します…」
「あはは、よろしくね」
あーーーかっこいい。
あーーートキメキ。
カシスオレンジの味なんて、これっぽっちもしなかった。
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さくら(プロフ) - nonononさん» コメントありがとうございます^_^前作同様、楽しんで頂けるよう頑張りますのでよろしくお願いします♪只今何かが降臨中で話がどんどん浮かんでいるので、しばらくこのペースで更新できると思います! (2018年1月19日 19時) (レス) id: df93a5c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
nononon(プロフ) - ストロベリーフィズから大好きです!とっても面白いので毎日楽しみにこのサイトを開いてます。がんばってください! (2018年1月19日 10時) (レス) id: 6b0e61c133 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 彩果さん» コメントありがとうございます(^ ^)最後まで楽しんでいただけるお話になるよう更新頑張ります!続きもよろしくお願いします♪ (2018年1月11日 15時) (レス) id: df93a5c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
彩果(プロフ) - 重岡くん好きなので、すごい面白いです!続き気になります!!更新楽しみにしてます♪ (2018年1月11日 14時) (レス) id: f75f618622 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら | 作成日時:2018年1月10日 16時