ｉｆ… (ページ38)

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袖ぐい…からのページ38

土曜日の品川駅は大混雑。
気を抜くとはぐれてしまいそう。
昔なら手繋げたけど、今はさすがに…

時々肩がぶつかったり、手が触れたりする。
その度に、この勢いで自分から…と思ってしまうけど、やっぱ無理。

でもこのままじゃ確実にはぐれる！
そう思ってみっくんの袖を掴んだ。

驚いたみっくんが振り向く。

「ごめん…。はぐれそうで」

気まずい。頑張って着いてこいよって思ってるかな。

もう一度ちらっと見ると、目が合って、にこっと笑ってくれた。

北「はい。行こ？」

スッと差し出された左手。意味くらい分かる。

「…いいの？」

北「むしろ、ここで断れると傷つくから」

そう言って、迷ってる私の右手をとった。

「ありがと…」

やばい。嬉しい。

『今回は、戻りたければAからいくべき！！』

福ちゃん達に言われたことを思い出す。

今日チャンスがあったら、絶対伝えよう。

別れてからも、ずっと好きだったって。

また、みっくんの彼女にして欲しいって。

…でも。

そう決意した矢先、水族館の入場やらなんやかんやで繋いだ手が離れた。

みっくんは、もう一度手を差し出しては来なかった。