第37話 ページ37
side アリス
『はあ……足はともかく、美容なんて興味ないのに』
何度目か分からない溜息をつく。タナカに捕まってしまった私は、自室のベッドに寝転がったものの昼間から寝られず、しかし家から出られずの地獄を味わうことになった。
おじいちゃんは寝たのだろうか。いや、あの諦めの悪いおじいちゃんが大人しく人の言う事を聞くわけが、
「グガ──────……」
あった。
どれだけ徹夜すればこんな真昼間から寝られるのだろう。いびきが響く屋根裏部屋を無言で後にする。ついでに家を散策すると、さっきまでいたはずのクリスやテイルス、ついでにエミーまで居なくなっていた。私を置いて遊びにでも行ってしまったのか。非常にけしからん。
『でもあの2匹連れて出ていくなんて、クリスったらなんて無茶を、』
《────シルバーバレーにて待つ。ナックルズより》
ナックルズ？
私は無意識にその単語に引かれるように、声のする方へ……ベランダへ駆け出していた。たしかベランダはソニックの日向ぼっこスペースだったはず。
『ねえ何のはな、』
ドン！！
扉を開けた瞬間、返ってきたのは爆発音だった。
突然の出来事に私は固まり、爆風の中から出てきた煤だらけのソニックを唖然として見る他なかった。見上げれば、なにやら黒く小さな何かが甲高い笑い声を上げながら飛んでいく。何から何までおかしい光景だ。
『そ、ソニック？』
「……こんな事をする奴は！」
『ちょ、待ってソニック！もしかしてナックルズさんに何かあったの！？』
「ん？アリスか。てっきりクリス達と一緒にシルバーバレーに行ったかと思ってたぜ」
『シルバーバレーって、どうして？』
未だ煙が立つ真っ黒焦げのままどこかへ向かおうとするソニックの腕を掴みながら首を振る。出禁になったこと、その訳を説明すれば、呆れた視線が返ってきた。
ソニックからも何故こうなったのか訳を聞く。どうやらエッグマンの企みだと睨んでいるらしい。とりあえず話を聞きながら蒸しタオルで黒焦げを取ってあげると、いつもの青い毛並みが元通りになった。
『そこにクリス達も？』
「ああ。カオスエメラルドがあるとか何とか」
『だからエッグマンが……』
「そういうコト。じゃ、オレは行くぜ」
『ま、待って！』
2度も止められWhat!?とうんざりした様子でソニックは振り返る。私は一か八か、まあ多分ダメだろうなと確信しながらも彼の大きな手を掴んだまま声を上げた。
『お願い、私も連れて行って』
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A - すごく素敵な作品でとても続きが気になります！続編もお願いしますっ！ (2022年4月24日 22時) (
レス) id: 1c577920f9 (このIDを非表示/違反報告)
憂象 - めちゃくちゃ面白いですね！！！！再度ハマるきっかけになりました！！ありがとうございます！！！(><＠) (2022年3月11日 21時) (レス) @page50 id: 63f42a208b (このIDを非表示/違反報告)
にーご - すごく面白いです！続編も期待しています(●´▽`●) (2021年2月7日 21時) (レス) id: 1e32eaca6c (このIDを非表示/違反報告)
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