上司と口紅〜その2〜3 ページ8
「あの・・・降谷さん。これはどういうことでしょうか?」
あの後ホテルの一室に連れてこられた私に降谷さんはこれに着替えろと服を投げて寄こし、着替えが終わったと思えばドレッサーの前に有無を言わさず座らされなすがままにされたのだ。
その後ホテルの最上階にあるレストランに連れてこられて今に至る。
「なんだ?美味しくないのか?」
目の前で黙々とフィレステーキを口に運ぶ降谷さんはズレた返事をくれる。
「物凄く美味しいです!・・・ってそうじゃなくてですね・・・」
私が次の言葉を紡ぐ前に降谷さんの鋭い視線が私に刺さる。
それはそれ以上何も言うなと制しているようで。
しかし何も分からなければこちらもどう動けばいいか分からない。
そう思案しているとトントントンと軽く指でテーブルを叩き、視線を左へ流した降谷さんに疑問は核心に変わった。
トントンと3回テーブルを叩いたのは3つ隣。
視線を左に流したのは左側のテーブルと言う事。
私達が席についているテーブルの左3つ隣のテーブルが今回のターゲットと言う事だ。
それが分かればこちらもそのように動くだけ。
「忙しい中誘って頂いて、こんな素敵な場所に連れてきて貰って嬉しいですよ。」
「喜んで頂いて光栄です。」
今はディナータイム。
周りはほぼカップルで埋め尽くされているからここに1人で食事をするには少々浮いてしまう。
ならと食事の相手に私が呼ばれたわけだが、予想通りに高級ホテルでのディナーには似つかわしくない服装で来たのでそれ相応に着替えさせられたのだ。
「Aさんは映画とか見られます?」
「見ますよ。」
「なら今度一緒に見に行きませんか?最近上映されたばかりの映画見に行きたいと思ってるんです。」
「是非!」
暫くたわいもない話をしながら意識をターゲットに向けるが特に動きはない。
食事が終わり、その後もターゲットを監視しているとそのままホテルから出て行くのを確認し、私も同じくホテルから出ようとすると降谷さんが私の腕を掴んだ。
「今日はここまでだ。これ以上は意味はない。」
「・・・わかりました。」
送っていくとRX-7のキーを見せられ大人しく降谷さんの後ろを付いていく事となった。
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月詠(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます!少し更新スピードが落ちてますが気長に待っていただければ幸いです。 (2019年11月29日 21時) (レス) id: a4fc351ca6 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 続編おめでとうございます^_^面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年11月16日 0時) (レス) id: fb97b4034b (このIDを非表示/違反報告)
月詠(プロフ) - まよさん» 初めまして。ありがとうございます!すごく励みになります。気長にお付き合いくださいませ。 (2019年9月27日 17時) (レス) id: c30e1cbeb8 (このIDを非表示/違反報告)
まよ(プロフ) - 初めまして(^^)すごい面白くて夢中で読んでます!更新楽しみにしてます! (2019年9月26日 12時) (レス) id: f3e2704753 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月詠 | 作成日時:2019年9月13日 17時