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私の幸せ8 ページ28

やっぱり…



「知ってたんだね…紫耀くんのこと」


「…ごめん。知るつもりはなかったけど、、坂田さんの結婚パーティーでももと留守番してたときに、箱の中を見てしまって」


「…あの日…プロポーズしてくれた日…」


「うん。
写真…見て…
なんでももの父親のこと言えへんのか、ようやく合点がいった。
Aさんがもものことだけやなくて、平野紫耀を守ってきたことも知った。

Aさんが抱える秘密ごと俺が守りたくて、衝動的にプロポーズしてしまった」


「…嬉しかったよ…?」


「俺も、okしてもらえて嬉しかったよ。人生で一番嬉しかった。

けどな、、気付いてしまって」



「…?」



「Aさんの抱える秘密は、重荷でもなんでもなくて、Aさんの幸せそのものやったんやろ?」









……なんで、廉くんはいつも、私でも知りたくない私の本心を見抜いてしまうんだろう。





「いつも…ももを通して平野紫耀を思い出してた。
やから、もも見てるだけで心から幸せそうに笑えてた。

そうやろ?」





「違うよ…」





やっとのことで振り出した言葉は静寂にのまれていく。

泣いちゃダメなのに、涙は止まらない。

うつむくと、肩を優しく握られ頬に触れた手によって顔を上げられる。

薄茶色の瞳が、私を映し出す。





「Aさん」




その瞳は、いつだって、固く閉じたはずの蓋を外してしまう。






「…廉くん…」




「…人生は一度きりや。

俺は…Aさんに幸せになって欲しい。

Aさんが…一番幸せやと思える日々を送って生きていって欲しい。


…せやから、教えて?


Aさんは、どう生きるのが…一番幸せ?」




頬に伝う涙を拭うこともせず、私の目を見て問う。


廉くんの覚悟が痛いほどに伝わってきた。








言えないよ…。

ももちゃんも、廉くんも、幸せにしたい。

廉くんを選んだら、2人とも幸せになれるでしょう。






「Aさん、自分の幸せだけを考えて、言うて?」







私の幸せをとるなら…


答えなんてひとつなの。







でもそれは、廉くんにとって残酷すぎる答え。


言いたくない。なのに、廉くんの目は、また私の心の蓋を外してしまった。






「…………ごめんなさい……」









何も見えないくらい、涙が溢れて止まらない。






「ええんよ、Aさん」




いつかと同じように、廉くんは細い指で私の涙を拭った。

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- 続きはまだでしょうか?急かしてるわけではなく、純粋にこのお話が好きすぎて続きが気になるんです!更新待ってます。 (2019年7月26日 23時) (レス) id: 88c3d5de1a (このIDを非表示/違反報告)
すこ - 引き込まれました。キャラクターたちの心情を、一人ひとり大事に大事に書かれてるように思います。切なくて、でもお互いを大切に思っていて、すごく素敵な作品だと思います。次の更新を楽しみにして待ってます。 (2019年7月4日 1時) (レス) id: ca0d230652 (このIDを非表示/違反報告)
atu66mi67yu129(プロフ) - 更新ありがとうございます。廉くんとは…ならないんですかねぇ…これからも楽しみに待ってます。頑張ってください。 (2019年7月3日 7時) (レス) id: c65eb063a4 (このIDを非表示/違反報告)
シー(プロフ) - 1から6まで一気に読んだくらい本当に面白いです!更新頑張ってください!! (2019年7月1日 7時) (レス) id: dfd347ea96 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - こんなに引き込まれた小説は久しぶりで、一気に読みました。続きを楽しみにしています。 (2019年6月11日 14時) (レス) id: e8aeac1cf5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピナパル | 作成日時:2018年10月22日 8時

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