私の幸せ４ ページ12
夕方、夕飯の支度をしているとスマホが鳴った。
「ももちゃん、廉くんこれから帰ってくるって」
「ママ、れんれん迎えに行きたい！」
「…そうだね。お風呂もまだだし、行こうか」
クリスマスが近づいた駅前の広場はイルミネーションで彩られていた。
「綺麗ー！」
さっきからももちゃんが感嘆の声をあげつづけてる。
二人でイルミネーションを見て回っていると、
「あっ！」
ももちゃんが繋いでいた手を振り払い走っていった。
「おかえりー！」
思い切り抱きついた先は、廉くん。
「ただいま！迎えに来てくれてありがとなー！」
廉くんはカバンを地面に置いたまま、ももちゃんを抱き上げた。
「れんれんとママとイルミネーション見たかったのー！」
「そうかー。見ていこう！」
ももちゃんを真ん中にして、３人で手を繋いでイルミネーションの中を歩く。
奥へ行くと、一層大きなイルミネーションが置かれていた。
十字架が掲げられたイルミネーションの中にはベンチが設置されていて、中で写真を撮ってる人がいた。
「光の教会やって。こんなん作ってたんやなー。毎日歩いてたのに全然気付かへんかった」
「少し奥にあるからね」
「ねぇねぇー」
ももちゃんが私の手を引いた。
「ん？なあに？」
「教会ってなに？」
「教会は、神様にお祈りしたり、結婚式を挙げるところだよ」
「へー？じゃあママはここで結婚式するの？」
「えっ？」
「だって、ママとれんれん結婚するんでしょー？結婚する人は結婚式するって、せんせいが言ってたよー？」
「結婚式…」
思わず廉くんを見る。
結婚式。考えてなかった。
「結婚式するよ」
廉くんがももちゃんに微笑んだ。
「ここではせーへんけど、Aさんのやりたいところでやろう」
今度は私を見て微笑む。
「な？」
「…うん」
挨拶、入籍、結婚式…
想像してたことがリアルになっていく。
自分で心に決めたこと。進むしかないことを突きつけられてる。
…その方がいい。
もう、立ち止まることも、振り返ることもしたくない。
覚悟を決めるよ。
心も…体も、廉くんのものになろう。
そしたらきっと、前だけを向いて進んでいける。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 978人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「永瀬廉」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
愛 - 続きはまだでしょうか？急かしてるわけではなく、純粋にこのお話が好きすぎて続きが気になるんです！更新待ってます。 (2019年7月26日 23時) (
レス) id: 88c3d5de1a (このIDを非表示/違反報告)
すこ - 引き込まれました。キャラクターたちの心情を、一人ひとり大事に大事に書かれてるように思います。切なくて、でもお互いを大切に思っていて、すごく素敵な作品だと思います。次の更新を楽しみにして待ってます。 (2019年7月4日 1時) (レス) id: ca0d230652 (このIDを非表示/違反報告)
atu66mi67yu129(プロフ) - 更新ありがとうございます。廉くんとは…ならないんですかねぇ…これからも楽しみに待ってます。頑張ってください。 (2019年7月3日 7時) (レス) id: c65eb063a4 (このIDを非表示/違反報告)
シー(プロフ) - 1から6まで一気に読んだくらい本当に面白いです！更新頑張ってください！！ (2019年7月1日 7時) (レス) id: dfd347ea96 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - こんなに引き込まれた小説は久しぶりで、一気に読みました。続きを楽しみにしています。 (2019年6月11日 14時) (レス) id: e8aeac1cf5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ピナパル
| 作成日時：2018年10月22日 8時
