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21歳の君。47 ページ40

インターホンにうつる永瀬くんは、
呼吸が荒く、額に髪の毛が張り付くほど汗だくになってる。


永瀬くん、どうしてここがわかったんだろう…。



「はい…」


「安永さん!あの…急にすんません!辞めるて聞いて…電話しても繋がらへんし…なにがあったんかと思って!
あ、あの…話せませんか?
話したいんです…俺!」


永瀬くん…すごい息切れ。必死で走ってきたんだ…。



そんなに心配してくれたの…?




『好きなんです…』


花火大会で、抱きしめられた記憶が蘇る。

永瀬くん…もしかして…まだ私のこと…。

だとしても…私は、永瀬くんの気持ちには応えられない。





少しでも話せば、納得してくれるかな…






深呼吸すると、鍵を開けた。







ドアを、顔が見れる幅だけ開けると、心配そうな顔つきだったのが一気に笑顔になった永瀬くん。



「あ!安永さん!…よかった元気そうで!」

「うん…。ごめんね、突然辞めたりして…」

「それは驚きましたけど、、なんで突然辞めたりしたんですか?」

「それは……ちょっと事情があって…」

「事情……?…あれ?」


永瀬くんの顔から笑顔が消えて、玄関先に積まれた段ボール箱に視線が向かう。


「まさか、引っ越すんですか?」

「………」


気付かれてしまった。


「こないだ…引っ越したって言ってませんでしたっけ?」

「…あ、うん…」

「……こんな短期間に引っ越すて…」



言葉を失う永瀬くんの
視線から逃れるように、顔を伏せた。




「永瀬くんには、関係ないことだから…」



そう言うと、永瀬くんが固まったのがわかった。



…これでいい。突き放さなきゃ…。

ひどい女になるんだ。






「私、大丈夫だから。

ほんとに、ありがとうね。

それじゃあ、元気で…」




永瀬くんの顔もろくに見ずに、ドアを閉めようとした。


だけど、閉めれなかった。


ドアノブを持つ手に、永瀬くんの手が重ねられて、動かない。








「…やめて…離して…」








「嫌や」








そう言うと、ドアを持つ手を引かれて、


玄関の中に入ってきた永瀬くんは、


私を抱きしめた。

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ピナパル(プロフ) - くりんさん» コメントありがとうございます!頑張ります! (2017年6月24日 0時) (レス) id: 13c9717e47 (このIDを非表示/違反報告)
くりん(プロフ) - とても、続きが楽しみです。更新頑張ってください (2017年6月23日 22時) (レス) id: 377230d688 (このIDを非表示/違反報告)
くりん(プロフ) - とても、続きが楽しみです。更新頑張ってください (2017年6月23日 22時) (レス) id: 377230d688 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピナパル | 作成日時:2017年5月22日 10時

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