21歳の君。40 ページ29
高梨さんと話してから1週間。
引越しのことを、紫耀くんに言おう言おうと思いながらも、言うタイミングがつかめず、
朝比奈さんの気が変わる前に、できるだけ早く引っ越したほうが良いと言われたこともあり、先に引越しの準備を始めた。
自分の部屋はすぐに片付け終わり、
紫耀くんの部屋から、自分の荷物を集めて段ボールにまとると、想像以上の量になってしまって、
人に見られないように警戒しつつ、自分の部屋に移動させていたら、いつの間にか深夜になっていて、気付いたら紫耀くんの部屋で寝てしまっていた。
玄関のドアが開く音で目がさめる。
部屋に入ってきたのは、もちろん紫耀くん。
けど、いつもとなんだか様子が違う。
フラフラして、目がトロンとしてる。
紫耀くんと目が合った。
「紫耀くん…久しぶり…」
そうつぶやくなり、抱きしめられる。
久しぶりの温もり、甘い香り…。
そして、お酒の匂い。。
酔ってる…?
「会いたかった……」
耳元で響くハスキーボイスが愛おしい。
「私もだよ…会いたかった」
背中に回した腕に力を込めた。
紫耀くんのぬくもりの包まれながら、迷う。
…どうしようか。。引っ越すことを、今話すべきなのか。
けど、酔ってる紫耀くんに話して、分かってもらえるのか、、。
と、いきなり腕の力から解放された。
紫耀くんは、部屋の中をキョロキョロ見回してる。
「ねぇ、A、Aの物が見当たらないんだけど…」
……言う前に、気付かれてしまった。
至る所に置いてあった物がなくなってるんだから、気付くか…。
もう、言うしかない。
「……あのね、、私引っ越すことにしたんだ」
こみ上げてくるものを抑えて、微笑んでみせた。
だって、別れるわけじゃない。
ほんのすこしのあいだ、会えなくなるだけ。
いつものように会えなくなるだけ。
心はつながってる。
さみしくなんかない。
そう思っていた私とは裏腹に、
紫耀くんは、目を見開いて、私を見つめると、大きく首を振った。
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ピナパル(プロフ) - くりんさん» コメントありがとうございます!頑張ります! (2017年6月24日 0時) (レス) id: 13c9717e47 (このIDを非表示/違反報告)
くりん(プロフ) - とても、続きが楽しみです。更新頑張ってください (2017年6月23日 22時) (レス) id: 377230d688 (このIDを非表示/違反報告)
くりん(プロフ) - とても、続きが楽しみです。更新頑張ってください (2017年6月23日 22時) (レス) id: 377230d688 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピナパル | 作成日時:2017年5月22日 10時