ＦｉｒｓｔＬｏｖｅ３*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:*･ (ページ21)

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呼び出し２ページ21

「なん…で…」

息が止まりそうだった。

なんで、朝比奈さんがAのことを知ってる……？

「なんで知ってるのか、って顔ね」

朝比奈さんは妖しく笑うと立ち上がって近づいてきた。

言い知れない恐怖を感じ、心臓の鼓動が跳ね上がる。

「言ったでしょう？私はあなたに、本気の恋をするって。

私ね、恋をすると、相手のことがなにもかも知りたくなってしまうのよ。

生まれた場所、生い立ち、嗜好、生活、すべてね。

調べるのは簡単だったわ。

地元にいた頃のあなたは、いつも彼女と一緒に過ごしていた。

３年前、業界でも有名になるほどやる気のなかったあなたが、彼女が地元から姿を消したと同時に突然やる気を取り戻した。

いま、彼女は東京のあなたと同じマンションに住所がある。

つまり、彼女は、あなたと一緒にいると考えれば全部の辻褄が合うわ」

朝比奈さんはそう言うと、以前と同じように俺の頬を撫でた。相変わらず、凍りつくように冷たい指。。

「彼女という人がいたから、あなたは、こんなにも素敵な人になれたのね」

優しく微笑む朝比奈さんに、戸惑いしか感じない。

どうしてそこまでする？なんのために？

この人の真意がわからない。なにが望みなんだ…。

「まぁ、いいわ。

彼女のことを、口外することはないから安心して」

朝比奈さんの言葉に安堵したのま束の間、その安堵は吹き飛び、絶望に叩き落とされた。

「もう、あなたと共演することはできない」

そう言った朝比奈さんは氷のように冷たい視線を、俺に向けていた。