番外編・弟とカルマとGW 3 ページ39
「あれ、疾風は?」
「早くに起きて京治君の所に行ったわよ」
「あっそ」
GW初日、家に居なかった疾風の所在を尋ねると、そう母が答える。
朝っぱらから合わなくて済んだ事にホッとした。
「Aも今日どこか行くんでしょう?」
「うん、友達とちょっとね」
まさかゲーセン経由の“釣り”をするなんて言えないから、そう濁しておいた。
“釣り”が親にバレない方法は、財布ごとじゃなく中身だけ奪う事。
そうすれば、少し天然が入っているウチの母は、娘の財産が知らないうちに増えている事に気付いても、『あの子いつの間にバイトなんてしてたのかしら』で終わる。
それが財布に気付かれたとしても同じ反応が返ってくるんだろうけど、バレにくいのは断然中身だけの方だ。
午前10時、駅前。
「和帝ちゃんおそ〜い」
「ゴメンゴメン。オシャレして来たから許して?」
「ごめんね、俺時間にルーズな子嫌いなんだ」
「酷〜い!」なんて言いながら、噴き出す。
うん、カルマはノってきてくれると思った。
ちなみに、コイツが時間にルーズな子は嫌いなんて嘘だ。
それならつい先週の、1時間遅刻事件は無かった筈。
「最初どこ行く?やっぱアソコのゲーセン?」
「そうだね」
目指したのは、私とカルマが初めて会ったゲームセンター。
入った途端、様々なゲーム筐体からの騒音が耳に飛び込んできた。
「よし、レーシングゲームで勝負だ!」
「良いよ。負けた方が昼メシ奢りね」
「望むところ!」
いつもよりややテンションを上げて、ゲームセンターに足を踏み込んだ。
番外編・弟とカルマとGW 4→←番外編・弟とカルマとGW 2
667人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆず(プロフ) - アカリさん» ありがとうございます!出来たら、「マネちゃんは暗殺者」にお知らせとして載せますね。 (2018年11月12日 15時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
アカリ - ゆずさん» 判りました!出来たら教えて下さい。更新頑張って下さい (2018年11月12日 11時) (携帯から) (レス) id: 5b0fbd2365 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - アカリさん» 了解です、作ってみます!ただ、掛け持ちがいくつかあるので、遅くなってしまうかも・・・。 (2018年11月11日 23時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
アカリ - ゆずさん» トリップでお願いします!其れで渚が偶々入ったデパートでテロが起こって渚一人で撃退して…みたいな? (2018年11月11日 13時) (携帯から) (レス) id: 5b0fbd2365 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 茉莉愛さん» やってみます! (2018年11月11日 12時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆず | 作成日時:2018年10月12日 21時