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銀ノ魂篇/浮き輪と盾 ページ5

ブフッ、とAが吹き出す。銀時は必死で水面に顔を出し、晋助はあくまで真顔。


「何すんだてめェ!! 銀さんがシリアスヅラでしゃべってる時は悪役も邪魔しちゃいけない暗黙のルールをしらねェのか!」

「プリキュアの変身シーンかよ」

「手ェ引かねェなら溺れ死んだ後ブツをいただくだけさ」

「待て待て、ブツって何? アレか? ガキん時お前から借りた春画か!?」


「え」とAが声を出した。思い切り引いた表情の妹に、「あ、やっぱ借りてなかったわ」と銀時が慌てて言う。Aの瞳の冷たさは変わらなかったが。


「そうだファミカセを借りたんだ、失くしたけど」

「ポートピア連続殺人事件は返せ」

「ポートピアは貸したんだ!? ポートピアやってたんだお前!!」

「何の話してんだ……」


脱力した様に呟く。Aの意識は2人の会話から逸れ、肩に乗せた太陽との遊びに向き始めている。


「もう遅ェよ、銀時」


だが真剣な口調の晋助の言葉に、彼女はまた兄達に目をやった。


「どうやら俺もAもお前も、もう引き返す事も後を振り返る事もままならねェらしい。いや、振り返ったところで、かける言葉もねェか」


川に浮かぶ舟に乗った男達が、一斉に矢を放った。それはA達の乗る舟に命中し、壊れる前に2人は川へと避難する。
川の中へと消えた晋助の姿に、また子が「晋助様!!」と叫んだ。

一方川の中では、余裕の表情のAと晋助とは違い銀時と太陽が慌てまくっていた。Aが太陽を引き寄せ懐の中に入れ、銀時は晋助の足に掴まる。そんな銀時を離そうと晋助が鞘のついた刀で突いていると、敵も川の中に飛び込んできた。
浦島太郎スタイルで自分に偉そうに跨る銀時の背中を蹴り、敵の方にやる。慌てる銀時に戸惑う敵を、晋助とAが斬った。
今にも窒息しそうになっている銀時を下から刀で晋助が押し、水面から顔を出させる。「ぷはああ!」と大きく息を吸ったのも束の間、飛んできた矢を咄嗟に歯で止めた。


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」


矢が雨の様に銀時に降り注いでいる。


「高杉てめェェェェ!!」


急いで川の中に逃れようとするが、晋助が下から押しているお陰で身動きが取れない。矢を必死で木刀で弾く。


「人を浮き輪代わりに使ってくれたんだ、盾代わりにくらいしても釣りがくるぜ」


怒る銀時に晋助は冷静に言った。Aも銀時の陰で太陽の顔を上に出させてやりながら、苦笑い。擁護する気はなさそうだった。

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いな - 面白かったです!最初から一気に読みました!これからの展開が楽しみです!! (2023年2月4日 10時) (レス) id: 200a1f85db (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 続きが気になって目が乾燥帯になってます、続きとかは、もう出ないんですか? (2022年8月9日 10時) (レス) id: c4efed8c6d (このIDを非表示/違反報告)
- 続きはもう出ないんですか?気になって夜しか寝れません (2022年8月8日 22時) (レス) id: 79fd85110e (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - わかさん» ありがとうございます、候補に加えさせていただきます (2021年8月31日 20時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
わか - 赤崎千夏さんとかはどうですか……?低い声が出るかどうかは分かりませんが (2021年8月31日 18時) (レス) id: 28ef16fbca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2021年2月13日 0時

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