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銀ノ魂篇/新しき国 ページ26

何やかんやあって猿飛あやめとお妙と柳生九兵衛と月詠に捕まった銀時が、正体を明かさないまま吉原を脱出した頃。そして、万事屋を継いでいた新八に遭遇した頃。銀時の代わりに土方が女共に捕まった頃。


「そうか、やはり来たか」


今や総理大臣の桂小太郎は、電話の向こうからの声にそう応える。


「いや、構わん。もしその情報が本当なら、こちらから出向かなくともむこうから……」


ドドォン!! と遠くから轟音がした。それに慌てる事も無く、「というワケだ」と言葉を継ぐ。
焦った様子で入ってきて「大変です!」と言う部下にも、落ち着いて「解っている」と返した。

電話の受話器を置く。


「また、この総理大臣ドナルドヅランプと戯れたい国民の皆様だろう。総出で迎えてやれ。ただしアレも国民だ、殺すなよ」

「はっ」

「いいか、総出だぞ。全ての手勢を外に駆り出せ」

「はっ!」


小太郎の指示に返事をし、彼は部屋を出ていく。その時開けた扉の陰から、そっと2人が出てきた。


「大層な人気者だな。もしかしてお前、攘夷浪士の時代より憎まれてるんじゃないか」


その内の1人、蝶柄の派手な着物を着た男が言う。

その突然の登場にもやはり驚いた様子は見せず、小太郎は彼等に背を向けたまま笑った。


「数々の悪名をうちたてたお前には負けるさ。その上此度は、妹まで連れてどんな悪事を企てている」


高杉晋助は刀を抜き、それを小太郎の首に向ける。


「旧き国は終えた。ならば、新しき国でも壊してみるか」


外では大騒ぎが起きていた。反ドナルドヅランプの男達と小太郎の部下達がドンパチを繰り広げている。

その音を聞き、小太郎はまた口を開いた。


「意外だな。まだお前に動かせる手勢があったか。既に旧き縁は断ち切って動いているものと思っていたが」

「ヘッ、俺がそんなに友達の多い人間に見えるか。少なくとも、あんな使えねェ連中とつるむオツムはもちあわせちゃいねぇよ。それにお前を殺るのに、そんな手勢(もん)必要ねェだろ」


晋助は少し笑うと、刀を持つ手に力を込める。


(コイツ)1本ありゃ足りるぜ、ヅラ。いや、総理大臣様よ」

「なるほど……奴等の動きに乗じて潜り込んできたと。Aに情報収集でもさせたか? 悪知恵は相変わらずはたらくようだな」


2人共、否定も肯定もしない。小太郎も返事は期待していなかったようで、「だが」と言葉を継ぐ。


「新しき国は、そうたやすく落ちるヤワな国ではないぞ」

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なのは(プロフ) - 更新しないですか?楽しみです!(>_<) (4月23日 0時) (レス) id: d007c1ae64 (このIDを非表示/違反報告)
いな - 面白かったです!最初から一気に読みました!これからの展開が楽しみです!! (2023年2月4日 10時) (レス) id: 200a1f85db (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 続きが気になって目が乾燥帯になってます、続きとかは、もう出ないんですか? (2022年8月9日 10時) (レス) id: c4efed8c6d (このIDを非表示/違反報告)
- 続きはもう出ないんですか?気になって夜しか寝れません (2022年8月8日 22時) (レス) id: 79fd85110e (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - わかさん» ありがとうございます、候補に加えさせていただきます (2021年8月31日 20時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2021年2月13日 0時

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