検索窓
今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:36,845 hit

銀ノ魂篇/星の軌跡も見えぬ夜 ページ9

夜になった。

敗走してきた解放軍をある程度まで追撃した後、懲りもせずかぶき町のお妙の元へ向かい顔に蹴りをくらっている近藤さんを見て、苦笑いが浮かぶ。


「なんだ、オイ。世界が終わりそうな今ならイケる気がするとか言ってたのに、いつもと変わらねェじゃねェか。何もかも」

「何言ってるの、トシ」

「近藤さんはアレがほしかったんですよ。いつものアレがいいんだ」


大分ボロボロになっているけれど、かぶき町も大丈夫そうだ。近藤さんに掴みかかっている新八の様子からして、多分銀ちゃんや神楽も。


「世界が終わりそうな時に今頃お帰りですか、お巡りさんも相変わらずですね。Aさんをあんまり連れ回さないであげて下さい」

「生憎お巡りさんには世界を救う義務はねェが色々忙しいんだ。Aも一員だからな」


お妙にトシが返すと、「そういう事」と聞き慣れた声が上から降ってきた。


「世界の方はしらないけど、どうやら帰る場所くらいは護れたみたいじゃない」


長い藤色の髪を靡かせたさっちゃんがそう言って地面に着地する。隣には全蔵さんも居て、この2人も無事だった事にホッとした。


「ただいまもおかえりもない、無愛想な街だけど」

「……おかえりはないけど、違うものならきけるかもしれませんよ」


お妙はそう笑って、手に持ってる…………え、アレ何。気持ち悪いんですけど……え?


「みんなおつかれさま」

「アネゴ、それ違う」


神楽ちゃんアレ何ですか!?





平賀源外の機械(からくり)によって街に電気が点かないので、土管に大量の木を入れて火をつけたものを4つ作り、その周りに皆で集まる。

星の無い夜空には、地球で起こっている事なんかに知らん顔をしているいつも通りの満月が我が物顔で居た。


「……こうして改めて見ると、ものスゴイメンツだね。これだけの人が一緒に戦ってくれただなんて」


新八がそう言うのにも頷けるくらい凄い人数が居る。そりゃ解放軍には及ばないけれど、当初の見積もりよりも大分多い。

ここには荼吉尼や辰羅も来たらしいのに皆が無事なのも、この助っ人達のお陰だろう。


「つまり何だい」


そう声を発したのはお登勢さんだった。後ろには西郷特盛や泥水次郎長……つまり、かぶき町四天王が揃っていた。


「解放軍が今日明日急に報復に来る事はないと。この街はしばらく安全だってのかい」

銀ノ魂篇/侃々諤々→←銀ノ魂篇/遮るものはぶっ壊せ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (47 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
101人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 原作沿い , 真選組
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ゆず | 作成日時:2020年10月19日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。