銀ノ魂篇/滅ぼうが滅ぶまいが ページ7
「副長、準備終わりました」
大通りに沿って並ぶビルとビルの間の路地で、久し振り感の全く無い会話を総悟としていると、そう隊士達が駆け寄ってきた。
「何とかなりそうか」
「最新鋭のものは使えませんでしたが、あれだけの量を設置すれば何とか……」
甘いもの食べたい。最後いつだろ。大体私、宇宙から帰ってきてからまだそんなに経ってないんだよ。
「いいか、あの大軍をあのままかぶき町にいかせるワケにはいかねェ。街にたどり着くまでが勝負と思え」
「総悟、今度屯所の近くに新しく出来てたカフェ行こ。モンブランが美味しそうなの」
「良いけど金はお前もちな」
「のびきった陣容の腹を突き、奴等を分断する。俺が合図したらアレ使え」
「えぇ……しょうがない、奢ってやろう」
「それ終わったら女子プロレスな」
「だったら私落語がいい」
「お前ら話を聞けェェェェ!! この非常事態に通常運転でデートの約束してんじゃねェ!!」
トシの指示を聞かずに総悟と話を続けていたら、怒鳴られて頭を叩かれた。
「「痛っ」」と声が揃う。
「……で、そっからは? 1人何人斬ればいい」
そんな私達を呆れたような目で見てから、近藤さんが軌道修正をする。「そうだな」とトシが考え込むように呟いた。
「1人200斬ればボーナスくらいは出してやる」
「やった。じゃあ500斬ったら永久に給料2倍ね」
「じゃあ1000人斬ったら副長の座は俺のもんって事で」
「フッ、考えとくよ」
嘘でしょトシ!?
「おお、ついに副長の許しが!!」
「沖田隊長が副長になったら、どの道世界は滅んじまうぜ」
「ハハ、違いねェや。でもどうせ滅ぶなら、そっちの方が面白そうだ」
「……山崎てめぇ他人事だと思いやがって」
総悟が副長になったら
私が決意を固めていると、「フッ」と近藤さんが笑った。
「滅ぶ滅ばないはどうでもいいってか。確かに……俺もそんな気分だ。ここまできたら、あとはやる事やるだけだ」
まあ、もうそれ以外に道無いしね。
「世界が滅ぼうが滅ぶまいが、江戸を護んのが真選組だ。世界が滅ぼうが滅ぶまいが、かぶき町でアホやってんのが万事屋だ」
結局やる事は変わらない。
「死に方なんざ、生きた先に勝手にぶらさがってくらあ」
ドォォン、とビルが爆発で倒れた。それを合図に私達は大通りへと走り出す。
「生きてこい、万事屋」
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作者名:ゆず | 作成日時:2020年10月19日 19時