吉原炎上篇／同類 ページ9
反射的に跳んで落ちるのを回避したのはいいものの、こっからどうしよう。
何かを話している夜兎の男達を、壁から突き出たパイプに片手で捕まりながら見下ろした。
あまり力があるワケではないので、左手がそろそろ限界である。
晴太を救出したいけれど、手練れの夜兎３人対私１人じゃいくらなんでも分が悪過ぎる。
それに、１番最後に来た、若い、包帯をたくさん巻いた男が、かなりヤバイ気がする。
下手したら私や総悟以上だ。サシでやったって、勝つか負けるかは五分五分だろう。
１番最初に来た、ボサボサな長髪の男が晴太を乱暴に引っ張るのを見て、グッと口を噛む。
落ち着け、私。これからどうする。
後を付けていくのも１つの手だ。幸いというか、そういうの得意だし。
って、
「ヤバっ……」
タラリと冷や汗が流れた。
今、包帯の男と目が合った。
「あれ、まだ１人残ってた」
男はニコニコしながらそう言うと、いきなりこちらへ向かって跳んできた。
片手不自由で足がどこにも付いていないこの状態じゃ、勝てるワケが無い。
左手をパイプから離して、空中でバク転をして下へと着地した。
攻撃を私に避けられた男も、少し遅れてすぐ近くに着地する。
「お兄さん、人殺しの目してるね」
予想外の事を言われて、目を瞬く。
いやまあ、私が総悟と同じで戦うのが好きっていうのは否定しないけど。
「そうか？ まあ、そういう仕事だからな」
「へぇ。どんなお仕事？」
「おまわり」
男に注意を向けつつ、晴太にチラッと視線を送る。
途端、「余所見はダメだよ」と顔スレスレに拳がとんできた。
避けていなければ間違いなく頭蓋骨が割れていた。
「そんな目しないでよ」
「あ？」
睨んでいたら、そう言われる。
いつの間にか、他の夜兎は晴太を連れて行ってしまっていた。
「俺、お兄さんと
「ああそう」
ここまで来たら
鞘から刀を抜いて、真っ直ぐに見据える。
「一応お前に言っておく」
もう目立つとか目立たないとかいうのは問題じゃないし、このまま普通に信じられ続けるのは若干傷つくんで。
「私、女だから」
違和感があってしょうがなかったカツラを取って放り投げれば、男が目を瞠るのが分かった。
うん、少し悲しい。
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ゆず(プロフ) - ％さん» ありがとうございます！ カッコいい女の子を目指しているので、そう言っていただけて嬉しいです！ (2019年12月20日 0時) (
レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
％ - 続編おめでとうございます！夢主ちゃんが男前な感じがして凄くドキドキさせられてます！更新頑張ってください！応援してます！ (2019年12月19日 21時) (レス) id: 02aec80553 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず x他1人 | 作成日時：2019年12月16日 0時
