吉原炎上篇／常夜の街の太陽 ページ6
「２０年前、侍と天人の争いによって、吉原は１度地上から姿を消した。だがその利に目をつけた天人達が幕府にとり入り、地中深く復活させたのが、ここ、吉原桃源郷」
遠くへ視線を向けたまま、月詠が語り出す。
「中央暗部の関わりがあるゆえ、ここは幕府にも黙殺される超法規的空間。しぜん公にできぬ政の秘事を語る場として利用されることも多い。つまり悪政を育む温床となっている。花魁ともなれば、国を左右しかねない情報の１つや２つ、知りうる」
だから遊女達は、
地下につながれ、使いものにならなくなるまで酷使され、
私は空を見上げながらその話を聞いていた。
太陽なんか昇っていない、鉛色のコンクリートでできた空。
「この街に売られて初めて知った」
だからこそ、常夜の街と呼ばれる。
「
だが、と月詠は言った。
紫色の瞳に初めて温かな色を滲ませて、懐かしむ様に。
「そんな絶望の中、
それが、日輪だった。
『死ぬだなんだわめいて逃げ回ってる暇があったら、檻ん中で戦いな、
「わっちが己を傷つけ女を捨てたのは、遊女になるのが嫌だったわけでも百華として吉原を護るためでもない。日輪を護るためじゃ」
顔の傷に触れて、月詠が目を伏せる。
「そして晴太……ぬしは、その日輪が命を賭して護ろうとした存在」
吉原で子を産めば、その母も子も始末される。
それでも晴太は、この世に産まれた。
吉原から逃げ出せば、地の果てまで追いつめられ、必ず始末される。
それでも晴太は、地上に連れ出された。
「わっちらにとって日輪は常世を照らす太陽だったように、日輪にとっても、晴太……ぬしも特別な存在だったのじゃ」
吉原炎上篇／晴れの日に雨傘さす奴には御用心→←吉原炎上篇／いい娘の答え
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ゆず(プロフ) - ％さん» ありがとうございます！ カッコいい女の子を目指しているので、そう言っていただけて嬉しいです！ (2019年12月20日 0時) (
レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
％ - 続編おめでとうございます！夢主ちゃんが男前な感じがして凄くドキドキさせられてます！更新頑張ってください！応援してます！ (2019年12月19日 21時) (レス) id: 02aec80553 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず x他1人 | 作成日時：2019年12月16日 0時
