吉原炎上篇/いい娘の答え ページ5
結論。月詠はいい
晴太にクナイが突き刺さるというその瞬間、颯爽と現れた銀時とAがそれを防いだは良いものの、銀時の額と手に防ぎ切れなかったクナイがぶっ刺さっていたのである。
しかも銀時が弾いたクナイが晴太に刺さってしまった。
最早冷たい目しかしない神楽、新八、Aと違い、月詠はくどいくらいに銀時が無事全てのクナイを防げた事にし、くどいくらいに晴太にクナイを刺したのは自分だという事にしてくれた。
物凄くいい娘である。
そして今。
銀時達5人にクナイを刺したと見せかけて百華の部下を追い払った彼女は、彼らの先頭を歩いている。
「門は見張りがいる。この中を通っていくがよいわ。1日半はかかるが、いずれ外に出られるはずじゃ」
月詠がそう言って、歩いていた大きな鉄のパイプの一部分をガゴッと開ける。
「さっさとここから逃げろ。次来たら、本当に殺す」
その言葉に、未だ男装をしているAが首を傾げた。
肩の上で、カツラの黒髪がサラリと揺れる。
「部下どもを引かせ、俺達を逃すために芝居うったのか? 百華の頭のお前が」
「わっちは吉原の番人。吉原で騒ぎを起こす奴は消す。それだけでありんす」
鉄のパイプに腰かけた月詠が、煙管の紫煙を吐き出しながら答えた。
その言葉に、キッパリと晴太が言う。
「悪いが、消えることはできないしアンタらに消される覚えもない。オイラは、母ちゃんに……日輪太夫に会いに来ただけだ」
「だったらなおさら帰るがいい」
月詠が素っ気なく返す。
チラリと晴太を見た。
「わっちにぬしらを逃せと頼んだのは、誰でもない。その日輪じゃ」
Aが片方の眉を上げる。
「何で日輪が」
「母ちゃん、オイラの事を知っているのか!? オイラがここにいる事を……!?」
「吉原の楼主、鳳仙は、ぬしと日輪が接触することを恐れいなんし。ここにいればぬしの命はない」
Aと晴太の問いへの答えに、神楽が「なんで!?」と反発した。
月詠を思い切り指さす。
「子供とマミーが会うのを邪魔だてされる義理はないネ!!」
「日輪が
眉をピクリとも動かさずに月詠はまた答えた。
何かを思い出すように、遠くへ視線を向ける。
「8年前、赤子のぬしを連れて逃げた時のように」
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ゆず(プロフ) - %さん» ありがとうございます! カッコいい女の子を目指しているので、そう言っていただけて嬉しいです! (2019年12月20日 0時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
% - 続編おめでとうございます!夢主ちゃんが男前な感じがして凄くドキドキさせられてます!更新頑張ってください!応援してます! (2019年12月19日 21時) (レス) id: 02aec80553 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年12月16日 0時