吉原炎上篇／百華 ページ4
「なんだって！！ オイラの金が使いこまれてただって！？」
場に馴染むべく遊女の格好をした神楽と新八の話を聞いて、晴太が「あのヤロー」と頭を抱える。
「ウン。晴太くんがお金預けてた見世番さん、店のお金にもちょいちょい手を出すような手クセの悪い人だったらしくて。遊女さん達の間では有名だったみたいだよ」
「心入れ替えてマジメに働いて金ためたってのに、全部ムダだったのかよ！！」
「ムダじゃないよ」
晴太の叫びに、新八がキッパリと言った。
神楽と２人、腰に手を当てて立ち上がる。
「これで、堂々とお母さんに会いに行けるだろ」
２人を見上げる晴太に、神楽が口を開いた。
「元々、母ちゃんに会うのに金がいるなんておかしな話だったアル。会いたい時に会うのが親子アル」
晴太が今日また預けるつもりだった、さっき苛立ち交じりに投げて地面に落ちた小銭を拾う。
「バーさんが、そんなくだらん金稼がせるためにお前働かせてた思うアルか。依頼金は、しっかり万事屋が頂いたヨ」
小銭を指で弾きながら言われた言葉に、晴太が目を見開いた。
「む、無理だ！！ 金もなしに花魁に会おうだなんて！！
カカカカ！！
突然晴太が座っていた場所に、クナイが無数に降ってきた。
反射的に晴太を引き寄せた２人が見上げた場所を晴太も振り返って見る。
そこに立っていたのは、煙管を片手に持って紅葉柄の着物を着た、顔に傷のある女だった。
「あれは……あの傷は」
ガチガチと震える晴太に、神楽が「誰アルカ？」と尋ねる。
女の横に、大勢の女がまた並んだ。
「吉原と吉原の掟を犯す者を処断する、自警団『百華』。その百華を率いる吉原最強の番人、」
百華の彼女達が一斉に屋根から飛び降りてくる。
「死神太夫と恐れられる、」
「月詠でありんす」
クナイを構えて、女が言った。
「以後よしなに！！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 97人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆず(プロフ) - ％さん» ありがとうございます！ カッコいい女の子を目指しているので、そう言っていただけて嬉しいです！ (2019年12月20日 0時) (
レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
％ - 続編おめでとうございます！夢主ちゃんが男前な感じがして凄くドキドキさせられてます！更新頑張ってください！応援してます！ (2019年12月19日 21時) (レス) id: 02aec80553 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆず x他1人 | 作成日時：2019年12月16日 0時
