吉原炎上篇/シティー派 ページ18
「どけコルァァァ!! てめーらみてーのに構ってる暇はねーんだよ!!」
早く、夜王の元へ。きっとそこに、晴太が居る筈。
覆水盆に返らず。後悔先に立たず。全てが手遅れになってしまう前に、早く行かなくちゃいけない。
月詠にあの場を任せて、その先を任された。
想いを無駄にしない為にも、早く、早く。
一生懸命足を動かして、前へ前へと進んでいた、その時だった。
神楽の目前の襖を突き破って出てきた番傘の先。
神楽が番傘で防いでも威力を落とさないそれが、彼女を後ろに突き飛ばした。
「神楽!!」
駆け寄ろうとした足が、「こいつは驚いた」なんて低い声に思わず止まる。
「誰かと思えばおたくら、あのガキを連れ回してた連中じゃねーか」
振り返れば、そこに居たのはボサボサ髪の夜兎の男。
「生きていたとは、いやはや、恐れいったね。団長がきいたら喜びそうな連中だ。地球産にも、少しは骨のある奴がいたってね」
「くっ! いよいよお出ましか……」
銀ちゃんが顔をしかめて呟く。
夜兎の奴らは、これまでなぎ倒してきた奴らと同じようにはいかない。
絶対に時間を削られる。
あの神威って男が団長なんだからコイツはあそこまでじゃないんだろうけど、きっと強い事に変わりはない。
「ひー、ふー、みー。1人はもう殺ったとして、黄色い目の嬢ちゃんは殺すなって言われてるから1人足らねーな。これじゃあジジイに借りが返せな、」
「オイ、寝ボケてんじゃねーぞ」
少し乱暴な、でも可愛らしい声がした。
同時に、男の身体が吹っ飛んでいく。
「誰が地球産アルか」
蹴りを繰り出した張本人は、そう言ってペッと唾を吐く。
「こんな田舎者達と一緒にすんなヨ。こちとら根っからのシティー派ネ」
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ゆず(プロフ) - %さん» ありがとうございます! カッコいい女の子を目指しているので、そう言っていただけて嬉しいです! (2019年12月20日 0時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
% - 続編おめでとうございます!夢主ちゃんが男前な感じがして凄くドキドキさせられてます!更新頑張ってください!応援してます! (2019年12月19日 21時) (レス) id: 02aec80553 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年12月16日 0時