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吉原炎上篇/てめーのおひさん ページ13

「あの鉛色の汚ねェ空に、俺達がバカでかい太陽(おひさん)うちあげてやるってな」




その銀時の脇を、「悪いが断る」と月詠が通り過ぎた。




「わっちも、共にいくからのう」




しゃんと伸びた背中を見て、銀時が参ったという様な顔をした。




「吉原との戦いに、吉原の人間連れていくわけにはいかねー。てめー裏切り者になるぜ」


「言ったはずじゃ。わっちが護るのは日輪じゃ。吉原に忠誠を誓ったことなど1度もない。晴太を見殺しにする方が余程の裏切りぞ」




それに。


月詠は、先程の銀時と同じ様に鉛色の空を見上げ、その向こうの青空をおもった。




「わっちも人に頼るばかりじゃなく、自分で捜してみる気になったのさ」




煙管を片手に、柔らかい笑顔で振り向いた。




「てめーの太陽(おひさん)という奴を」




銀時が、はぁっと溜息をこぼした。




「帰るトコなくなっても知らねーぜ」


「心配いらんわ。だってぬしら、吉原を叩き潰してくれるんじゃろう」




そんな会話をして、4人がその建物を出た時だった。




「「「「……?」」」」




目の前に、見覚えのある着流しを着た見覚えのある黒髪が1人。


その人物は銀時達に気付いて目を向けると、パッと顔を輝かせた。




「居たー! 捜したんだかんね!」


「…………そりゃこっちの台詞だ馬鹿!!」




へへへと笑うAに、実は物凄く心配していた銀時が怒鳴る。


それからハッとした様に、彼女の着流しや頰に目を向けた。




「お前、その傷どうした。今回ばかりは返り血ってワケじゃねーみてェだな」


「ああ、これねー……」




Aは自分の着流しを見下ろすと、また顔を上げ、唇を尖らせる。




「神威っていう好戦的過ぎる男とちょっと()り合ったら、こうなった。同じくらいダメージ与えといたけど」


「…………あ、そう」




銀時はツッコミを放棄した。


どうしてそうなったんだとか、お前何今ここに居る奴等の中で1番ヤバイって神楽が言ってた奴と良い勝負してるんだとか、訊きたい事は山程あったけど。




その代わりに、月詠が訊いた。




「……ぬし、さっきの男か?」




そういえば月詠、Aが男装してたって事知らなかった。




「……そうです、実は女です」




Aはそう答えると、また本気で驚かれた事に少し悲しげな表情になった。

吉原炎上篇/くせ者です→←吉原炎上篇/お天道様



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ゆず(プロフ) - %さん» ありがとうございます! カッコいい女の子を目指しているので、そう言っていただけて嬉しいです! (2019年12月20日 0時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
- 続編おめでとうございます!夢主ちゃんが男前な感じがして凄くドキドキさせられてます!更新頑張ってください!応援してます! (2019年12月19日 21時) (レス) id: 02aec80553 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年12月16日 0時

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