もろともに

真選組動乱篇／表面化する異変 ページ9

取り敢えず鉄子の鍛冶屋からお暇した万事屋の３人が、トッシーに戻ってしまった土方を連れながら、当て所なく歩く。


プライドの高い土方さんが恥も外聞も捨てて人にものを頼むなんてよっぽどの事が、と新八が言ったところでトッシーがくだらない頼み事をしてきたので、３人でドカドカ蹴っていたところ。




「副長ォ」




近くにパトカーが停まると同時に、そんな声がした。




「ようやく見つけた！！」


「大変なんです、副長ォ！！」


「スグに……スグに隊に戻ってください」




酷く慌てた様子の隊士３人に何があったのか新八が訊けば、驚くべき答えが返ってきた。




「山崎さんが……山崎さんが！！ 何者かに……殺害されました」


「やっ、山崎さんが！！」


「屯所の外れで倒れている所を発見されたんですが、もう、その時には……下手人はまだ見つかっておりません」




銀時は彼らを冷静に見つめながら、何かがおかしいと思った。




あのゴリラが局長の真選組だ。


普段暗殺したりされたりといった多少の揉め事はあっても、仲間が殺されたとなれば血眼になって犯人を捜して逮捕ではなく斬りかかるくらいの奴等だろうに。


今のコイツらは何だか、とても冷静だ。




「とにかく！ １度屯所に戻ってきてください」


「え……でも、拙者はクビになった身だし」


「そんな事いってる場合じゃないでしょ！！」




隊士達に囲まれて戸惑うトッシー。




「さっ早く」




チャキリと。彼を囲んだ３人の隊士が、刀の鯉口を切った。




「副長も、山崎の所へ」

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