真選組動乱篇/策士策に溺れる ページ31
パチリと、伊東の目が開いた。
風が上から下に吹くのを感じて下を見れば、ポッカリと穴が空いている。
それに動じず今度は右や左を見渡せば、そこは電車の様だった。
上着に引っ張られているのを感じるのは、上着が何か引っかかって自分をここに留めてくれているから。
辺りに彷徨わせていた伊東の目が、椅子に瓦礫と共に転がる左腕を見た途端、喜びに沸いた。
「土方」と思わず声がもれる。
「そうか……僕は……勝った。僕はついに、土方に勝っ、」
そこで、自分の左腕が無い事に気付いた。
「うわァァァァァァァ!!」
右腕で傷を押さえて叫ぶ伊東の耳に、バラバラと何かが近付いてくる様な大きな音が届く。
それは、ヘリコプターだった。
「や……やめてくれ」
伊東の呟きも虚しく、ヘリコプターからは銃弾が次々と飛んでくる。
その内の1つが伊東の上着を引っかけていた所にドンと当たる。
瞬間、とてつもない浮遊感が伊東を襲った。
やめてくれ。
僕は、こんな所で死ぬ男じゃない。
やめてくれ。
僕はもっと、できる男なんだ。
もっと、もっと。
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哀(プロフ) - なるほどです!ありがとうございます! (2019年12月17日 18時) (レス) id: d4e761c72f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 哀さん» すみません! 次巻は用意をしただけで、まだ1ページも書けていないんです。でき次第すぐに公開します (2019年12月17日 16時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
アスミ - パスワード教えて欲しいです! (2019年12月17日 15時) (レス) id: 41e9138099 (このIDを非表示/違反報告)
哀(プロフ) - はじめまして!とても面白かったです!次の作品も読んで見たいのでパスワードを教えて頂けると嬉しいです! (2019年12月16日 16時) (レス) id: d4e761c72f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - %さん» 結構長いのに、2日で読んで下さるなんて…! とても嬉しいです。頑張ります! (2019年12月15日 22時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年11月29日 17時