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真選組動乱篇/ファミレスにて ページ3

向かいの席に座ったトシは、刀を鞘から抜く。




「全ては刀を手に入れてからおかしくなった。どうやら俺は、ホントに妖刀(コイツ)に呪われちまったらしい」




……うん。




「だははははは」


「プッ……ふふっ」




大笑いする総悟と吹き出す私に、トシは諦めた様に「だから言うのヤだったんだよ」とぼやいた。




「信じてねーだろ、お前ら。信じるわきゃないだろ、お前ら」




だって、妖刀って……。




「ふと気づくと勝手に別人格に入れ替わってやがる。いや、アレは別人格なんかじゃねェ。人が誰しも持っているヘタレた部分が、妖刀(コイツ)によって目覚め始めているんだ」


「トシ、刀のせいにしちゃダメでしょうよ」


「土方さんは元々ヘタレでしょ」


「そうスよね、俺なんて元々こんな……」




……へ?


何で怒んないの? 何でショボンとしてんの?




「アララ、コイツはホントに調子がおかしーや」


「その妖刀の所為なんだったら、さっさと捨てちゃえば良いじゃん」




ジュースを飲みながら言った私に、トシは「それができれば苦労しちゃいねェ」と答えた。


ですよねー。




「気がついたら厠や風呂まで持っていっちまう始末だ。はがそうにもはがれねェ。鍛冶屋のジジイはこんな時に限って居やがらねーし」


「するってーと、何ですかい? 近藤さんとケンカしたのも妖刀(コイツ)のせいだと?」


「ああ、この間のね。私の部屋まで声聞こえたよ」


「……そうならいいんだがな」




そうじゃないって事?




「土方さん、こんな時にウカウカしてたら伊東さんに副長の座奪われますぜ。あの人、隊内でアンタの悪評ふれ回ってますよ」


「私アイツの補佐なんてやりたくないんだけど」


「伊東の工作だけじゃねェ。俺ァ、こんなになっちまってから既に10を越える局中法度を犯してる。普通なら切腹モンだ。そらァ隊士達の目も冷たくなる」




そう言うと、コーヒーを飲み終わったトシは席を立って言った。




「信頼は得難いが壊れやすしって奴だ。明日にも伊東から切腹の申し渡しがきてもおかしかねーよ。今のヘタレた俺じゃ呑みかねねェ。お前らも俺なんかといると、伊東に目をつけられるぞ」


「……土方さん」




総悟は呟くと、「待ってくだせェ、土方さん!!」と声を上げた。


走って行って、彼の肩を掴む。




「焼きソバパン買ってこいよ。あとジャンプもな。勿論お前の金で」




あの馬鹿!!

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(プロフ) - なるほどです!ありがとうございます! (2019年12月17日 18時) (レス) id: d4e761c72f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 哀さん» すみません! 次巻は用意をしただけで、まだ1ページも書けていないんです。でき次第すぐに公開します (2019年12月17日 16時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
アスミ - パスワード教えて欲しいです! (2019年12月17日 15時) (レス) id: 41e9138099 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - はじめまして!とても面白かったです!次の作品も読んで見たいのでパスワードを教えて頂けると嬉しいです! (2019年12月16日 16時) (レス) id: d4e761c72f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - %さん» 結構長いのに、2日で読んで下さるなんて…! とても嬉しいです。頑張ります! (2019年12月15日 22時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年11月29日 17時

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