真選組動乱篇/オレの席 ページ14
刀を抜いたまま、2人がゆっくりと伊東達に近付いて行く。
「沖田君、吉田君。やはり君らは……土方派」
その言葉に、2人はそれぞれの理由で、それぞれの度合いで、不満気な顔をした。
沖田は、気にくわない土方派だと言われ、少しだけ。
Aは、勘違いをされていると、思い切り。
「良いのか? 吉田君。兄に会わなくて」
伊東の冷たい瞳が、最初にAに真っ直ぐ向けられる。
「そりゃ会いたいけどね。言っちゃたんだよ、次会ったら全力でぶった斬るって。今の私じゃ出来る気しない。てか『やはり』も何も、私アンタにつくって言った記憶無いんだけど」
そこは絶対に勘違いしないでほしい、寒気がする、と。
Aは舌をベーッと出した。
続いて、伊東の目がAとは反対、沖田へ向けられる。
「土方を裏切ったのも、僕をあざむくための芝居だったか」
沖田は少し不満そうな表情を崩さずに答える。
「芝居じゃねーよ……言ったはずだ。俺の眼中にあるのは副長の座だけだ。邪魔な奴は誰だろうと叩き潰す。土方は消えた、次は……」
刀を真っ直ぐに伊東へと向けた。
「テメーの番だよ、伊東先生」
伊東派の隊士達の向こう側、少し呆れた様なAと目が合う。
何でィ、お前も伊東より俺が良いだろ。
「俺ァ、てめーの下にも
彼女から目線を外して、伊東を真っ直ぐに見た。
「そこをどけ。
ギラギラとした笑みを見て、伊東がクククと笑う。
「とんだ性悪だ。土方を消すため僕を利用し、用済みとあらば僕をも消すか。ククク、いいじゃないか」
沖田のすぐ近くの席。
隠れていたらしい隊士が2人そっと出てきて、
「僕も、同じ意見だ」
ドォォン、と。後ろの車両が爆発した。
「あれれ、どーしたんだろー?」
ニヤニヤ笑うAの手はポケットへと入れられている。
「爆弾を……」
呆気にとられる伊東の上、斬りかかってきた2人を難なく突破した沖田が彼に刀を向けた。
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哀(プロフ) - なるほどです!ありがとうございます! (2019年12月17日 18時) (レス) id: d4e761c72f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 哀さん» すみません! 次巻は用意をしただけで、まだ1ページも書けていないんです。でき次第すぐに公開します (2019年12月17日 16時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
アスミ - パスワード教えて欲しいです! (2019年12月17日 15時) (レス) id: 41e9138099 (このIDを非表示/違反報告)
哀(プロフ) - はじめまして!とても面白かったです!次の作品も読んで見たいのでパスワードを教えて頂けると嬉しいです! (2019年12月16日 16時) (レス) id: d4e761c72f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - %さん» 結構長いのに、2日で読んで下さるなんて…! とても嬉しいです。頑張ります! (2019年12月15日 22時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年11月29日 17時