馬鹿ども ページ14
ターミナルに着くと、大勢の逃げる人々とニュースのリポーターが居た。
神楽も一緒に逃げている事を望みつつ、えいりあんを観察する。かなり大きくなっていた。
「真選組です。我等が江戸の守護神、武装警察真選組が駆けつけてくれました! もォ大丈夫です、これで……え?」
昨日の銀行でのえいりあん騒ぎと同じように、総悟がメガフォンを取り出す。
そして、またあのベタな台詞を言った。
リポーターが滅茶苦茶戸惑うのも無理はないと思う。
『ねェお母さん、なんかいってやってください!』
「えっ!! マジで!? ウソ……」
嘘です。
そこに居たのは、昨日とは違うえいりあんの着ぐるみをきた近藤さん。
手に持ってるの遺影か?
「お父さん最後になんて言って死んでいったかアンタにわかる!? お父さんねっ、最後までアンタのこと……ごぶォ!!」
そして今度はえいりあんに吹っ飛ばされた。
お母さん作戦が通じない事がやっと分かったらしい馬鹿達は、えいりあんから逃げる。
ちなみに私はトシとパトカーに乗ったままである。いやぁ、楽ちん楽ちん。
「しかし、アレがまだ生きてたとはねェ。どうゆう経緯でここにきたのかしらないけど、大変な事になったもんだ」
「どうやら奴さん、想像以上にしぶとい上に、食ったら食っただけデカくなる厄介な奴らしいぜ。しかも運の悪いことに、今度のすまいはターミナルときた。あれは膨大なエネルギーを使って船を転送する、言わばエネルギーのポンプ。奴の急成長はターミナルに流れる強大なエネルギーそのものを食らったせいだ」
「ヤバイね。このままじゃ、江戸は喰いつくされるよ……って、おいお前何勝手に録ってんだ」
勝手にカメラを向けてきていたソイツを殴る。
と、何かが前から走ってくる音が聞こえた。
誰かが逃げる人々から逆行してきているってことだ。
気になって窓から顔を出した私は、目を見開いた。
「銀ちゃん……!?」
定春に乗った銀ちゃんがえいりあんへ向かっていく。
「定春、散歩の時間だ。今日はどこでクソたれようがじゃれようが自由だよ。めいっぱい暴れな」
木刀を構えて、
「いくぜェェェ!!……あり?」
えいりあんに呑みこまれた。
111人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆず(プロフ) - fubukiさん» ありがとうございます! これからもよろしくお願いします! (2021年2月22日 22時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
fubuki(プロフ) - 題名が覚えている百人一首の句なのでとても嬉しくなりました!面白いです。 (2021年2月22日 21時) (レス) id: 8d00889b6b (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - グリみいさん» ありがとうございます!そう言っていただけて凄く嬉しいです。更新頑張りますので、これからもどうぞよろしくお願いします! (2019年9月4日 18時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
グリみい - 感動して泣けました!!凄くこのシリーズが大好きです!!応援してます! (2019年9月3日 22時) (レス) id: 460e4835e5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆず | 作成日時:2019年8月18日 10時