瀬をはやみ (ページ3)

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ご挨拶ページ3

「おお！目が覚めたか！」

暫くして、そう声を上げて部屋に入ってきたのは、４人だった。

１人は、さっきの女の人。

もう１人は、ゴリラみたいな男の人。

目付きの悪い人に、私と同い年くらいの、女の人とそっくりな男の子。

中々に個性豊かなラインナップだなと思っていると、ゴリラみたいな人が私の寝ている布団の側に腰を下ろしてきた。

「俺は近藤勲だ。君が道端で倒れていたから、連れてきたんだが……大丈夫か？」

私を拾ってくれたのはこの人か。

確かに、良い人オーラが滲み出ている。

お礼をしようと口を開くも、飛び出たのは全く別の言葉だった。

「……お腹空いた」

言った瞬間、グ～ッとお腹が鳴る。

そりゃそうだ、お兄達が残して行ってくれた食料なんてもうすっからかん。

だからこそ、ワンチャン勝負に出たんだ。

「はっはっは！そうかそうか。ミツバ殿、すまんが……」

「えぇ。ちょっと待っていてね」

割と失礼な事をしたであろう私にもこの反応。

うん、やっぱり私悪運強い。

「……テメー、何モンだ」

自分を褒めていると、男の子に物凄く睨まれながら訊かれた。

あの女の人とそっくりなのに、性格は全く違うらしい。

「……私は、吉田A。貴方達は？」

名前を人に訊いたら、自分も言うのが筋ってもんだろう。

そう思って訊き返すと、チッと舌打ちをされた。

何だコイツ。

「俺ァ沖田総悟。姉上に変な事してみろ、タダじゃ済まねェからな」

「へ～。そっちは？」

姉上って、さっきの人か。

やっぱり姉弟なのか。

総悟の言葉を聞き流して、目付きの悪い人に話を振る。

「土方十四郎」

……本当に名前だけ言われた。

何て無愛想なんだ。