好き嫌い ページ22
「…………」
「……おいA、無言で野菜流してくんじゃねェ」
バレた。
朝食中、松陽の料理を美味しく食べていると、味噌汁の中にナスを発見した。
基本何でも食べられるAだが、ナスだけは別。
大の苦手なそれをこっそり晋助のお椀の中に次々入れていたら、4個目を投入した辺りで、ナスが大量発生している味噌汁に気付いたらしい。
「A、好き嫌いは良くないぞ」
「そうだぞ……って、おい! よく見たら俺の味噌汁にも入ってんじゃねェか!」
小太郎に軽く叱られ、銀時に怒られて。
Aは唇を尖らせて、3人に言った。
「ナスが少し増えてるくらいで騒がないでよ、お兄も銀ちゃんも!」
「「お前が言うな」」
「それにこた君は嫌いなものないからってさー、そんな事言ってさー……私だって、ナス以外なら食べれるよ!」
「そうだったか? 確かこの間、人参だけを綺麗に残していたような……」
「あ、あれは、お腹いっぱいだったから!」
「お腹いっぱいだったら、何で人参だけが残ってんだよ」
「銀ちゃんうるさい!」
「何で怒られてんの、俺!?」
晋助も銀時も小太郎も、Aの事はよく可愛がっているが、甘々なワケでは無い。
こういう時は、割と口うるさく言ってくるのだった。
「ていうか、ナスを3・4個入れただけでそんなに言ってくるって……もしかしてお兄と銀ちゃん、ナス苦手?」
「「そんなワケ無いだろ……って、マネすんな!」」
また声をハモらせて喧嘩し出す2人だったが、いつものような覇気が無い。
Aはニヤッと笑って、ワザとらしく喋り出した。
「へー、ふーん、そうなんだ〜。じゃあ、ナス何個入れても大丈夫だね」
「い、いや! お前の味噌汁に入ってたんだから、お前が食わねェと」
「そうだぜ、A」
あまりにも必死に止めようとしてくる2人に、これはもう苦手確定だろと思う。
それでも腕を止めずにナスを運ぼうとしていると、机についていた手が滑って、晋助の方に倒れ込んでしまった。
その拍子に……ガラガラガッシャーン。
Aは勿論、そのバトルに参加していた晋助と銀時も一緒に、松陽の拳によって地面に埋まる事となった。
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ゆず(プロフ) - 緋澄さん» 1話目ができ次第、公開させていただくつもりです (2019年6月19日 17時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 時雨さん» 申し訳ありません、実は、続編は準備しただけでまだ1話も書いていないんです・・・! (2019年6月19日 17時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
緋澄 - 続編を読みたいのでパスワードを教えて下さい (2019年6月19日 14時) (レス) id: d02144b3e7 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 続編が、読みたいのでパスワードを教えてください。 (2019年6月18日 23時) (レス) id: bfac637d1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年4月5日 20時