紐 ページ16
「…………何してんの……?」
思わず、といった様に、四葉が声を上げた。
呆れた風の視線の先に居るのは、松下村塾の悪ガキ3人組。
そいつらが居るのは、町にある女の子向けの雑貨の多い店。
完全に、浮いていた。
「あ、や、これはだな……」
慌てて弁明しようとする銀時に掌を向けて、それ以上は言わなくて良いから、と制す。
「3人にそんな趣味があったなんて、誰にも言わないから大丈夫よ」
「「「違うわ!!」」」
四葉的にはそれしか無いと思ったのだが、どうやら間違いらしい。
食い気味に否定された。
「でもじゃあ、何してんの?」
もう1度、冒頭の質問をする。
先程で懲りたのか、銀時も誤魔化そうとはせず、素直に口を開いた。
「Aに、なんかやろうと思って。髪を結う紐でも無いかな〜、と……」
バツが悪そうに、渋々と答える銀時。
小太郎と晋助も、誤解を解きたいのか必死に頷いている。
「それなら、私も一緒に選ぶのに。皆完全に浮いてるよ?」
「お前に頼んだら、俺等金を出しただけになるじゃねェか。自分達で選びたいの」
「ふ〜ん。なら私は、ここで見守ってるわ。酷いのプレゼントされたら、Aちゃんが可哀想だし」
「酷いのってどういう事だぁ!?」
良いから良いから、と、さっさと選ばせる。
稽古をしている以外では珍しい、真剣な顔で物色する3人に、ふふ、と笑う。
暫くして決まったのか、「これでどうだ!」と1本の紐が目の前に突き出される。
「……うん、合格」
意外とセンスが良かった。
三日月型の髪留めと合わせたのか、紫の糸と金の糸で編まれた紐は、上品な感じがして綺麗。
今はまだ幼いけれど、成長すれば絶対に美人になるAに似合いそうだ。
「だろ!?」
買ってこよーっと、と店の奥へ入っていく悪ガキ達を見送りながら、ポツリと呟いた。
「……シスコンよねぇ、あの3人」
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ゆず(プロフ) - 緋澄さん» 1話目ができ次第、公開させていただくつもりです (2019年6月19日 17時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 時雨さん» 申し訳ありません、実は、続編は準備しただけでまだ1話も書いていないんです・・・! (2019年6月19日 17時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
緋澄 - 続編を読みたいのでパスワードを教えて下さい (2019年6月19日 14時) (レス) id: d02144b3e7 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 続編が、読みたいのでパスワードを教えてください。 (2019年6月18日 23時) (レス) id: bfac637d1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年4月5日 20時