あはれとも

最大の謎 ページ13

「俺の奪ってんじゃねェよ！ 自分の食え！」


「ああ？低杉のクセに食い意地張ってんじゃねぇよ！ どうせ身長には栄養回ってくれねぇんだから諦めろ！」


「んだと！？ まだまだ伸び盛りだふざけんな！」


「やめんか２人共、食事時ぐらい」


「「うるせぇヅラ！」」


「ヅラじゃない、桂だ！」


「「…………」」




夕食中、銀時が晋助の魚を奪った事による喧嘩勃発。


最早止める気にもなれず、松陽と一緒に黙々と食事を敢行する。




「大体てめぇ、人の奪っといて何自分正当化しようとしてんだ！ どう考えても悪りぃのお前だろ！」


「じゃあほら、お詫びにこれやるよ」


「お前が食べた魚の骨なんか要るか！ 食べれねぇだろコレ！」


「ちょっとでもカルシウム摂れるようにって心遣いだろ！」


「ただの嫌がらせだろうよ！」




Aの右隣に晋助、左隣に銀時。


喧嘩している２人に挟まれていて、段々イライラしてくる。




チラッと松陽に目線を送ると、茶碗と箸を置いたところだった。


ソッと立ち上がり、喧嘩している２人の後ろに周る。


気付かずに喧嘩を続ける兄２人の頭に、愛の拳が落とされた。




「「〜〜っ！」」


「いくらでも喧嘩して構いませんが、人に迷惑をかけないようにしなさい」




晋助はどう考えてもとばっちりだった。


銀時と同じくらいうるさかったので同情は出来なかったが。




この兄２人が何故こんなに仲が悪いのかが、Aの今のところの最大の疑問だ。

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