◇ ページ35
私は汗ばんだ手で手すりを掴みながらゆっくりと湯船から立ち上がる。
頭に畳んだ寮服を載せて、
タオルを体に巻いて
成るべく水音を立てないように
そっと、
気づかれないように。
彼は私に背向けて髪の毛を洗っている
.....なんだろう、
男の人が目の前で体洗っているのを初めて見るんだけど
あのね、見たくて見ている訳じゃなくて
一刻も早くバレないように風呂場から抜け出すために私は隙を見計らっているんだ！
しかも湯気でよく見えないし！(←少し違う
爪先から濡れた地面に着地させながら、
あの寮生の後ろを通っていく。
もう少しで通りすぎれるという所に、
彼は上から水を被り始めた。
ザブンという音が聞こえたと思ったら
今度は大きなため息をつきやがった。
「.....ふぅ」
急に声を出さないでくれ、私は今自分に声をかけられたと思って心臓が浮いたんだ。
後ろからはカタッと音がする
多分石鹸を取る音だろう。
私は自分の最善なスピードとマナーモードでせっせと風呂場の扉に向かって歩いているから振り向いて確認する余裕なんてない。
扉まであと十歩くらいだ。
いいぞ、このまま....！
だが、何もかもスムーズに進めていくことを神は許さない。足裏になにかツルツルした感触があるな、と思っていた時に視界が天井にぐるんと反転していた。
『へっ...？』
思わず声を出してしまい
反応する暇もなく、後頭部からは鈍い痛みを感じて、ドンッ！という音が聞こえた。
なんだ？
痛みがどんどん強さを増す
私は滑って後頭部を地面に打ったらしい
(←他人事みたいに言わない
『いってぇじゃねぇか誰だよこんな処にシャンプー巻き散らかした奴は』
そもそもシャンプーなんだか分からないが風呂場にはそれくらいしか滑るものないだろうよ。
「────誰だ！お前は！」
後ろからカランッという音がしたとともに、
ペタペタと足音が近づいてくる。
はっと気づいたことに私はさっきカッとなって声を出してしまっていた。
バレた...
今は痛いのにも関わらず私は迅速に飛び起きて、地面におちた服をパッパと取る
そして
目の前には腰にタオルを巻いた寮生が手に木製の盆を持って走ってくる。きっと私を不審者扱いしているだろう
『あ、あの、そんなに走ったら───!
ぉわっ』
一応注意したんだが彼は聞く耳持たずに走るが私の目の前で
「んおおおっ？！」
ドンッ
私と同じ所で盛大にこけた。
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C-ちゃん(プロフ) - 面白いです！あと少し気になったのが、NPCって何ですか？ (11月10日 10時) (
レス) @page17 id: dbb14c790e (このIDを非表示/違反報告)
バイオレット - 今日見始めましたが神です、はい (2022年1月26日 15時) (レス) @page8 id: 7a0f02f114 (このIDを非表示/違反報告)
寝巻き(プロフ) - うみねこさん» え、まじですか！一回設定の所を見てきたのですが押していませんでしたが。。。もう一度見てきます！よければあとでもう一回確認して頂ければと思い出す汗ありがとうございました！ (2021年6月5日 16時) (レス) id: a4632cb321 (このIDを非表示/違反報告)
うみねこ(プロフ) - オリジナルフラグ付いたままですよ…汗 (2021年6月5日 16時) (レス) id: 55d88c0b4f (このIDを非表示/違反報告)
ちろちろ(プロフ) - ユメゾラさん» うっひょああ？！そう言って貰えて凄く嬉しいです！頑張るぞぉー！！ (2021年2月23日 20時) (レス) id: a4632cb321 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寝巻き | 作成日時：2021年2月15日 14時
