文豪と恋物語２

人外の私、恋しました。＊2 ページ22

今日は中也さんの誕生日。

貴『中也さん、誕生日おめでとうございます』

中『覚えてたのかァ⁉』

貴『はい、何時もお世話になっているので
’葡萄酒タルト’を作らせてもらいました』

コトッ、とお皿を置く。
目を輝かせる中也さん。

貴『そしてひとつなんでもして差し上げます。』

タルトだけでは何時もの恩返しはできないので
ひとつなんでもしてあげる、と言うプレゼントも
用意した。

中『なんでも……
ならその包帯とガーゼ取ってもらおうか』

ビックゥゥ

貴『えっとそ『ずっとおかしいとは思ってたんだが
古傷の割にはぐるぐるに巻いてあるなァ。まるで何か隠しているみたいだな』……』

中也さんのあまりにも鋭い推理に言葉が出なかった

中『図星か』
貴『わかりました』

私はクルクルと包帯をとった
中也さんは目を見開く

貴『実は私、人魚のなりそこないなんです。』

これでもう中也さんのそばにいれない
そんな風に悲しんでいると

中『…どうりで綺麗すぎるわけだ』

貴『ふぇっ⁉』
中『ッ⁉俺は何を…』

中也さんは顔を真っ赤にする。

そして私も。

こんなにドキドキするなんて……

私、

恋したみたいです……

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