56話 ページ8
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どうしよう、イケメンが本気で照れている。
照れたいのこっちなのに。
「…ありがとうございます。」
『ああ。』
彼がそう言うと沈黙が始まる。
お互い気まずさを感じたのか、パチッと目があってしまった。
『そ、そうだ、今日ここに来たのはな…』
そう言って車に戻っていく彼。
出てきた彼の腕には見たことないほど大きな花束。
それといくつもの有名店の紙袋。そこに1つシンプルな袋が混ざっている。
『卒業祝いだ。おめでとう。
何を渡すか決められなくてな、良いと思ったものはとりあえず買ってきた。』
……金銭感覚おかしいよ。
「ありがとうございます。
…私なんかにお金そんなに使っていいんですか?」
『君以上に使うべき場面が見つからない。
それにこの程度使ったところで僕の生活に支障は無いから心配するな。
専業主婦になっても満足させられるくらいには稼いでる。』
???
会わない間に色々おかしくなったな…。
「ひい、有名ブランド店ばっかり…
けど、これ知らない。これは…?」
『それが1番気に入ったのか』
と、とても不服そう。
「そんなこと言ってません。
ただ他のとは雰囲気が違うから不思議に思っただけ」
『…それだけヒロからだよ』
「え、ほんと!?
…あ」
視線を感じた先には目が笑っていない彼。
『はは…もう今日は帰るよ』
いやそんなめちゃくちゃに傷ついた顔して言われても…
「ちょっと待っててください!!!」
彼を止めて急いで家にプレゼントを置いてくる。
車に乗り込む彼を止めるために私も急いで助手席に乗る。
「零さん待って!
ごめんなさい零さん、私ちゃんと嬉しいよ。
全部大事に使う。ヒロさんからのも零さんからのも全部同じくらい嬉しい。
きっと今日も私の卒業式だったから無理して時間作ってくれたんでしょ?
何日も寝てないはずなのに私のとこ来てくれる優しい零さん大好きだよ…?」
『A…』
そう言って私の体に顔を埋める彼。
「ふふ、子どもみたい。」
『許せ…』
「はいはい。
この後の予定は?」
『18時に…』
今はまだ16時。
「1時間くらい寝てきます?」
『いや、車も目立つからここでは厳しい。
…君が良ければ、裏道に車を移動させるから1時間付き合ってくれないか。』
ここで断れる人間いない。
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1時間後スッキリした顔の彼が爽やかに仕事に向かっていった。
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あまね(プロフ) - 🟥さん出てくるのも待ち遠しい‼️ (10月9日 15時) (レス) @page14 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 読みながらときめきで倒れそうでした!続きを心待ちにしてます!! (7月3日 13時) (レス) @page14 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
仁(プロフ) - めちゃめちゃ好きです!!!続き楽しみに待ってます!!! (5月30日 22時) (レス) @page14 id: 4e6b429b64 (このIDを非表示/違反報告)
真白 - 👍 (2023年4月9日 12時) (レス) @page12 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
マシュマロ。 - 続き楽しみにしてます!!!!! (2022年12月26日 21時) (レス) @page12 id: 5bbebede5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そば粉 | 作成日時:2022年7月18日 11時