第39話 ページ41
『あー…』
冷たい地面を背に、朝日が差して白みだした空を仰ぐ。
毎日ボロボロだ。鍛えられるのはいいが、これ以上の足止めは勘弁したい。
「ま、及第点ってとこじゃな」
『ゼノお爺様…』
一日一殺と書かれた服が視界に入る。
このおじいちゃん、優しいところはあるが容赦は無い。
これくらいで疲れてはまだまだじゃな。
そう言って呵呵と笑っている。年季が違う。
そして倒れている私の隣によっこらせと座った。
「おぬし、ニホン人というやつじゃろ」
『…知ってたんですか』
「いんや、気付いたのは最近じゃな。妙な雰囲気があるとは思っとったが」
ネテロ会長といい、どうやら長く生きている者には分かるらしい。
誤魔化す気力もなかったのでそのまま認めた。
「欲を強く持つ者は、異世界人に強く惹かれると聞く。手に入れようと躍起になった結果、時に狂う奴もいるとな」
『ありますね、そんな話』
「とすればおぬしは近いうちにこの家から消える」
消えるだろう、ではなく、断言した。
何故だろうかと目を向けると、考えれば分かると肩を竦めた。
「イルミは欲深い男ではない。ゾルディック家の繁栄の為ならまた別じゃがな。その他の事に関しては執着はとんとない」
『あー…そうですね』
ハンターという同業者は基本的に多欲的な人間が多く、私も今まで狙われてきた。
その為、相手がそういう人間かどうかの判断も瞬時に出来るようになっている。
イルミは違う。
キルアや家のことにしか執着はない。何かが欲しくて衝動的になることもなさそうだ。
「あやつではおぬしを繋ぎ止めることなど出来んよ」
待っている未来は二つ。
おぬしが元の世界へと帰るか、より強欲な人間に掠め取られるか。
「そもそも異世界人自体、我が強いなんて話もある」
『…えへ？』
「やれやれ、新しい相手を探しておけと言っとくか」
私が帰りたがっているのも察しているようだ。脱走計画もバレてるかもしれない。
『止めなくていいんですか？』
「ワシは無駄な労力はかけん主義じゃ。
キキョウのやつが暫く騒ぐかもしれんが、まあ耐えるしかないじゃろ」
ご迷惑をお掛けします。
キキョウさんには妙に気に入られちゃったからなぁ。申し訳ない気持ちはある。
とりあえずゼノお爺様にバレてしまったし近いうちに出ていくのもありだな、と考えたところで眠気に意識が遠のいた。
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推しの命は私の命 - 番外編だけでも書いてくれ (3月2日 21時) (
レス) id: be6e33eff1 (このIDを非表示/違反報告)
あいす - クロロがドロドロしていて凄い刺さりました,,😭めちゃ面白いです！！応援してます！！！！ (9月29日 13時) (レス) @page28 id: d200d8285a (このIDを非表示/違反報告)
ritsu(プロフ) - 次がすっごく楽しみです!!!頑張ってくださいね! (9月12日 23時) (レス) id: 09c2417c6f (このIDを非表示/違反報告)
みのる - 続きすごい楽しみです！！！待ってます！！！ (9月11日 23時) (レス) @page48 id: b8a09115f0 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - めっちゃ面白いです！続き楽しみにしてます！ (5月3日 12時) (レス) @page48 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナキサ x他1人 | 作成日時：2021年8月27日 15時
