第29話 ページ31
死ぬかと思った。
咄嗟に頭を横に傾け、顔スレスレを通っていったトランプカードにひやりとする。
振り返ると、壁にはハートのエースが突き刺さっている。
「や♡」
『や、じゃないよ。なんで私の部屋にいるの』
「鍵を開けるくらいこの奇術師ヒソカには造作もない事さ♤」
『セキュリティとプライバシーがガバガバだ…』
ゆっくりのんびりと100階をクリアして専用の個室を貰い、数カ月がたった頃だった。
食事を終えて部屋に戻ってくると、ドアを開けた瞬間放たれる刃。
ベッドにはヒソカが座っており、机にはトランプタワーが崩れた跡がある。
結構寛いでいらっしゃる。
『いつも勝手に私の部屋に…ヒソカも部屋貰ってるよね？』
「トモダチの部屋に遊びに来て悪いかい？」
『トモダチはナイフ同然のトランプカードを投げてきたりしないもん』
それもそうだ、と喉を鳴らして笑うヒソカ。
アダルトリオは基本何考えてるか分からない。まだ暗殺者には会ってないが、既に3分の2は思考回路が複雑であることや表情が読み取れないことを実感した。
『それで、何しにきたの？』
「ん？特に何も♧
言ったろ、トモダチの部屋に遊びに来たって♡」
『なるほど…？』
気まぐれなヒソカのことだ。
すぐに玩具やゴミへと変わるのだろうが、今は私を"トモダチ"と思っているらしい。
『しょうがない。お茶とお菓子用意するから待っててよ』
「随分準備がいいね♤」
『いつも誰かさんが来るからね』
ヒソカがいなければ来客用になんて用意する必要もないのだが…まぁ殺人鬼とはいえ、一緒にお話をするのは楽しいからよしとする。怖いけど。
台所でお茶の用意をしていると、ねぇ♡と声が掛かった。
『なにー？』
「Aってば、見かけによらず結構大胆なんだね♡」
その台詞だけでは何のことかわからず、キッチンから顔を出して確認する。
「いつ使うんだい？♡」
その手が持っていたのは黒い下着だった。しかも透けてて、かなり際どい。
『か、勝手に部屋漁らないでよ！』
「これが君の趣味か。意外や意外♡」
『ちがっ、ちがうよ！？』
なんだか変態だとは思われている気がする。完全なる誤解だ。
『言っとくけど、通りすがりのおじさんに貰っただけだからね！』
「え♧」
ヒソカはマジで？と言いたげな、ドン引いた顔をした。
「…コレ、履いてるの？」
『た、たまに？』
「…もっと気をつけた方がいいよ。これはトモダチからの助言♤」
こんな神妙な顔をしているヒソカは初めて見た。
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推しの命は私の命 - 番外編だけでも書いてくれ (3月2日 21時) (
レス) id: be6e33eff1 (このIDを非表示/違反報告)
あいす - クロロがドロドロしていて凄い刺さりました,,😭めちゃ面白いです！！応援してます！！！！ (9月29日 13時) (レス) @page28 id: d200d8285a (このIDを非表示/違反報告)
ritsu(プロフ) - 次がすっごく楽しみです!!!頑張ってくださいね! (9月12日 23時) (レス) id: 09c2417c6f (このIDを非表示/違反報告)
みのる - 続きすごい楽しみです！！！待ってます！！！ (9月11日 23時) (レス) @page48 id: b8a09115f0 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - めっちゃ面白いです！続き楽しみにしてます！ (5月3日 12時) (レス) @page48 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナキサ x他1人 | 作成日時：2021年8月27日 15時
