第1話 ページ2
…神に捨てられた。
どんなものでも捨てることが許される、この地に。
前世なんてものは特に信じていなかった。
異世界転生なんてものもただのフィクションであるし、しかもそれが漫画の世界だなんてことは痛い妄想でしかない。
私もそういった妄想はしていたが、そもそもこういったことが起こり得るか否かなんて考えたこともない。ありえなさ過ぎて。
こうなった今も信じきれていない。しかし、こればかりは認めないといけないと、現実に向き合うことにした。
＿＿流星街だ。
目が覚めて飛び込んできた景色から、自然に脳がその知識を弾き出した。もっというと、前世の自分が持っていた知識、である。
とりあえず、今私は9歳くらいの女の子として２回目の人生をスタートしたこと、そしてこの世界がハンターハンターという漫画の中だということは理解した。
この漫画の熱烈なファンだとは言えないが、ちゃんと履修済みだ。うろ覚えも多いけど。
しかし、前世の自分は死んだのか？
別にトラックに轢かれたわけでも、深刻な病に侵されていたわけでもなかったはずだ。最後は自室でごろごろ寝てた気がする。
急に心臓でも止まって突然死したのだろうか、それとも死んだ瞬間の記憶が無いだけか。うんうんと首を捻った。
そうこう考えても仕方が無い。
地面にぺたんと座っていた足を動かし立ち上がる。積み上がった瓦礫とそこら中に立ち上る煙、思わず顔をしかめてしまう腐敗臭。
全てが、今までで感じたことのないものだった。
『あー、あはは』
さてどうしたものか。
自然と乾いた笑いが込み上げる。
突然、見知らぬ土地に一人ぼっち。どこに行けばいいのかもわからない。
こんな状況に、まだ感情を抑えるのが難しい年齢の女の子の体は耐えられるはずもなく、じわじわと目に涙が溜まっていく。
確かこういった場所ではゴミを拾って生計を立てるんだっけ、とは思うものの、具体的にゴミを金に変える方法を知らない。
泣いても何もならないと必死に解決策を考えるが手詰まりだ。お腹も空いた。
目的もなくとぼとぼと歩きながら、少し汚れた手で涙を拭く。しかし次々と溢れる涙の量が上回って拭いきれなかった。
「見ない顔だな」
どれほど歩いただろうか、声がかかった。声の主を探ると、黒い瞳と目がかち合う。瓦礫の山の近くに男の子が一人。
誰もいないと思っていたから、心臓が一瞬止まるほど吃驚した。
この出会いが、始まりだった。
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推しの命は私の命 - 番外編だけでも書いてくれ (3月2日 21時) (
レス) id: be6e33eff1 (このIDを非表示/違反報告)
あいす - クロロがドロドロしていて凄い刺さりました,,😭めちゃ面白いです！！応援してます！！！！ (9月29日 13時) (レス) @page28 id: d200d8285a (このIDを非表示/違反報告)
ritsu(プロフ) - 次がすっごく楽しみです!!!頑張ってくださいね! (9月12日 23時) (レス) id: 09c2417c6f (このIDを非表示/違反報告)
みのる - 続きすごい楽しみです！！！待ってます！！！ (9月11日 23時) (レス) @page48 id: b8a09115f0 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - めっちゃ面白いです！続き楽しみにしてます！ (5月3日 12時) (レス) @page48 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナキサ x他1人 | 作成日時：2021年8月27日 15時
