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No side
郁の言葉に3人は言葉を失う
言葉の意味がわからなかった
『翼が居なくなって翼の記憶がどんどん薄れていくんだ
だから僕が翼になれば
翼はずっとここにいることになるよね』
笑顔を浮かべる郁
困惑すると同時に少し気味が悪く感じた
翼「…郁が俺になる必要なんてない
郁は郁のままでいい
お前が望むなら俺は郁が死ぬまでずっと側にいる！
だから『だって』っ」
ぎゅっと抱きしめる翼の背中に郁はゆっくりと腕を回した
『だって翼が言ってくれたじゃないか
“お前は俺で俺はお前だ”って
僕以上に翼になれる人なんていないよ
大丈夫
僕は翼のことならなんでも知ってるよ
僕は
郁はその瞬間から郁であることをやめた
もともと一人称を俺にしていたのも翼の真似をしていたからだったため困ることはなかった
相「…郁
約束通り明日からはヒーロー科で授業を受けてもらうことになるが
必要書類などはこちらがしておく
何か質問はあるか」
『いえ、何もありませんよ
雄英高校のヒーロー科に通えるなんてすごく嬉しいです！
昔からの夢だったので』
綺麗な笑顔を浮かべる郁はもう郁じゃない
郁はこんな笑顔は浮かべないしヒーロー科で喜ぶはずなどない
立ち上がる所作から全てを郁は翼に変えた
翼はただ悲しそうに隣に立っている
『先生
俺はもう帰っていいんだろ
明日の準備もあるから早く帰りたいんだよ』
夢「…郁くん
僕はきみのために何もできなかった
ごめんね…
きみを守りたかった
きみを助けてあげたかった
苦しむきみを…笑顔にしたかった」
『「先生』」
『「俺は十分助けてもらったよ
先生にもいっぱい感謝してる
だから今度は俺がみんなを助けたいんだ
俺はヒーローになるよ』」
振り返りざまにそう言った郁は夢見にはもう翼にしか見えなかった
発する言葉も歩き方も顔の表情も
見た目が違うだけで全てが翼だ
翼「…郁
俺は郁が大好きだよ
俺たちは双子で、でも違うところもたくさんあって
足りない部分は2人で補い合った
誰よりも優しくて純粋で俺を慕ってくれて
人一倍弱くて寂しがりやで泣き虫な俺の大切な弟
そんな郁が俺は…大好きだ」
『知ってるよ、俺はお前なんだから
でもね、翼
郁はもういない
郁はもう、いらない』
郁は自分の悲しみから逃げるために自分であることをやめた
服も全て買い替えて翼の好みにした
明日からの学校が楽しみで仕方がなかった
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ゆーゆ - 涙線ガバガバになりました…目がパンパンです()本当感動って感じの小説ありがとうございます… (2021年9月5日 2時) (
レス) id: 7bfda9e817 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぁ - 偽りの自分って感じじゃなくて、ただ二人で一人って感じがとても好きです。 (2020年10月18日 22時) (レス) id: 3f15dcefd5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぁ - 何故か泣いてしまっていました。 (2020年10月18日 22時) (レス) id: 3f15dcefd5 (このIDを非表示/違反報告)
囚人 - 俺、泣いちゃいました。更新頑張って下さい！楽しみにしてます (2018年10月27日 23時) (レス) id: 235e75e60a (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - 45が抜けてますよ (2018年10月7日 23時) (レス) id: 79e4fb54ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すえさん
| 作成日時：2018年7月8日 13時
