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66_気を付けること ページ31

Aside



オビと別れてから、私の頭の中は少しパニック状態になっていた。

(どうしてあんなこと言ったんだろう)

あんなこと、それはオビに対して何故敬語を使うのかと聞いたことだ。聞く前は何も考えずに言ったが、オビの言った通りよくよく考えればおかしい発言ではないか。”信じられない””関わるな”とさんざん言ってきたにもかかわらず自分から近づこうとしていることになる。

(今まではこんなミスするはずなかったのに...)

最近の私はどうもおかしい気がする。それもこれもこの城にいることに決めたせいなのだろう。特にオビの近くにいるからなような気がする。以前の私なら、こんな風にフードを取ることは絶対になかったはず。それなのにオビのたった一言に納得してあっさりとフードをとってしまった自分がいる。

(...おかしい、今の私はおかしい。誰かのせいで頭がいっぱいになるなんて)

私は城の屋根に上り正座をし、以前オビに教えてもらったように(あそこまで大きくはないが)一度大きく深呼吸をする。落ち着くためにはこうするのが一番という事に最近気がついた。

(...よし落ち着いた)

目をつぶり心地良い風に当たったことでようやく頭の中が正常に戻った。

(...一応ゼンの側近にはなったけど、必要以上に関わってはいけないのは変わらない。私に関われば危ない目に遭うのは目に見えている。一定の距離を保ちながら接していかないと)

そのためには余計な感情は捨てなければならない。淡々と言われた仕事をこなしていく必要がある。

(何も考えるな。必要以上に関わるな。これをここにいる間は忘れないようにしよう)

そう心に決めて私は目を開ける。思っていたよりも考え込んでいたようで日が傾きかけていた。一度見回りをしに行こうと立ち上がる。するとすぐ下の木の上で気持ちよさそうに寝ているオビが目に入った。少し冷たい風が吹きオビがくしゃみをした。

(あのまま寝続けたら風邪を引いちゃう)

起こそうかとも考えたが、今の風でも起きなかったくらいなので相当熟睡しているのだろう。

(...これは別に何も感情があるわけじゃない。今までの私でもしたはず)

そう言い聞かせながら私はそっとオビの近くに降り立つ。殺気や威嚇の気が出ないように気を付けながら。そしてたまたま持っていた毛布を掛け、すぐにその場を離れた。

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オビ大好き(プロフ) - ミルさん» 返信、更新が遅くなってしまいすみません。コメント本当にありがとうございます!少しずつですが頑張っていきます、楽しんで読んで頂けると嬉しいです。 (2017年12月5日 22時) (レス) id: 18b5cfd9e7 (このIDを非表示/違反報告)
ミル - とても面白いです!更新頑張って下さい!! (2017年10月10日 21時) (レス) id: 31845f0f7d (このIDを非表示/違反報告)
オビ大好き(プロフ) - コハルさん» コメントありがとうございます。更新が遅くなってしまい申しわけありません。今後も楽しく読んで頂けると嬉しいです。 (2017年7月20日 13時) (レス) id: feff5c808f (このIDを非表示/違反報告)
コハル - すっごくおもしろいです!応援してます!!がんばってください!!! (2017年7月18日 19時) (レス) id: ac42cc4477 (このIDを非表示/違反報告)
オビ大好き(プロフ) - ハルさん» とても力になるコメント、応援有難うございます!なるべく早く、沢山更新できるよう頑張ります。なので楽しみに待って頂けると嬉しいです。また、意見や良かった感想など教えて頂けると嬉しいです。これからも楽しんで読んで頂けるよう頑張ります。 (2017年6月1日 23時) (レス) id: feff5c808f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クリオロ | 作成日時:2017年5月3日 17時

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