【文豪ストレイドッグス】永遠の歌姫 (ページ26)

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二十三話ページ26

Aside
菊ちゃんの車に乗り込み、車が発射したと同時に、菊ちゃんに話をした。もちろん、イヤホンを片方だけ付けての状態で、

菊「如何して、私が内務省異能特務課だと？」

A「君のヒント。それで理解できた」

菊「あちゃ～、やっぱりそれでバレちゃいましたか～」

A「ｸｽｯ、貴方が出したヒントは簡単すぎなのが悪かったわね」

菊「ですね」

A「それで、いろいろ話を聞きたいんだけど、如何して、菊ちゃんは探偵社に？特務課では、飽き足らなかった？」

菊「そうではないんです。ただ、ちょっと、興味があっただけ。それと、上司から、貴方の事を頼まれたから」

A「貴方の上司って、若しかして、安吾？」

菊「そうですね。まあ、坂口安吾さんですね。本当、あの人は、自分の娘のように心配していましたよ。貴方の事」

A「・・・・・」

菊「それと、興味があっただけって、云いましたけど、もう一つ。安吾さんが、ここに行きなさいって言ったの？」

A「安吾が？」

菊「安吾さんは私の親代わりで、私は特務課(ここ)に居るよりも、探偵社に入った方が良いって。でも、私、今迄お世話になった人達がいる所を辞めたくなくて、特務課を副業として残し、探偵社を本業として、働くことになったんです」

A「・・・・・・貴方の親代わりって事は、過去に何かあったの？」

菊「それは云えません。ですが、一つだけ云える事は。安吾さんは、私にとって、大好きなお父さんなんです」

それを聞いて、私は安吾が昔、小さい女の子を拾い、自分の娘の様に可愛がっている女の子がいるって。最近は全く会ってないから、そんな話を聞く事は無くなったけど、でも、今なら分かる。

彼にとって、彼女は自分の大切な娘で、彼女にとって、彼は大切な父親。本当に、お互いがお互い、大好きなんだなって、そう思った。その時、私の片方のイヤホンから、嫌な音が聞こえた。

菊「あっ、そう云えば、さっきから片方にイヤホン付けてますけど、何聴いてるんですか？」

A「菊ちゃん、今何処に向かってるの？」

菊「ん？敦くん達の所です。そこに如何やら、ポートマフィアが来たみたいで」

A「その場所、少しスピードを上げて向かってくれる？」

菊「えっ！？無理ですよ。此処、法定速度何キロだと思ってるんですか？」

A「じゃあ、近道をしてでも良いから、急いで！」

菊「何で」

A「良いから早く！じゃないと、敦くん達が死んじゃう！」