【文豪ストレイドッグス】永遠の歌姫 (ページ20)

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十八話ページ20

谷崎「えぇっと、調査のご依頼とお伺っておりますが、いったいどのようなご用件でしょうか」

菊(この女性。何処かで)

A「ねえ、貴方。心中に興味はない？若し良かったら、私と心中を「せい！」痛っ！？」

Aが依頼して来た女性に対して、心中を要求した時、国木田によって頭を殴られた。

国木田「あぁ、お騒がせしました。気に為さらずに」

A「痛いなぁ。国木田くん。冗談だよ。冗談」

国木田「貴様の冗談は冗談に聞こえん」

「それで、依頼の話なんですが」

菊「あっ、済みません。どうぞ」

中島(凄い。さっきの状況を見て尚、普通に続けた)

谷崎(ていうか、菊ちゃんは冷静だな。ある意味勇者だよ)

「実は我が社のビルの路地の裏手に、最近善からぬ輩が屯している様なんです」

菊「善からぬ輩とは具体的にどの様な輩で？」

「襤褸を纏った連中の様です。中には聞き慣れない異国の言葉を話す者も要るとか」

菊「襤褸を纏った連中に、異国の言葉を話す者ですか」

国木田「そいつは恐らく密輸業者の類だろう。軍警が幾ら取り締まっても鮒虫のように湧いて来る。公安都市の縮合だな」

「えぇ、無法の輩と云う証拠さえ有れば、軍警に掛け合いは出来ます。ですから」

国木田「現場を張って証拠を掴め、か。小僧」

中島「えっ？」

国木田「お前が行け」

中島「えぇー！！？」

国木田「只見張るだけの簡単な仕事だ。それに密輸業者は、大抵逃げ足だけが取り柄の無害な連中だ。お前の初仕事には丁度良い」

中島「でも」

国木田「谷崎。一緒に行ってやれ」

ナオミ「兄様が行くなら、ナオミも着いて行きますわ～」

A「解らない事があれば、谷崎くんに聞けば良いよ。頑張って」

中島「あっ、はい！」

菊「済みません。依頼者さん。お隣失礼しても宜しいでしょうか？」

「えっ？あっ、はい。どうぞ」

菊「失礼します」

菊は許可を貰うと直ぐに依頼者の隣に座った。

菊「済みません。此処からは私の質問に答えて頂いても宜しいでしょうか？」

「はい。構いませんけど」

菊「では最初に、貴方のお名前をお聞かせ下さい。苗字だけで結構ですので」

「樋口です」

菊「樋口さん。貴方ご職業は何でしょうか？」

樋口「えっと、事務員の様なものを」

菊「具体的にどの様な事を？」

樋口「書類整理などをしております」