3.なんだか波乱の予感 ページ5
ばちり。
驚き、丸くなった目が合った。
相変わらず綺麗な碧い目だ。
数秒見つめ合う。いや、数秒もない。
彼はふい、と視線を外してから向き直り、
「はじめまして。安室透です」と名乗った。
「あむろ、さん」
「はい。下のカフェで働いてます。
頼まれたケーキを届けに参りました」
知らない名前だった。しかし、別人とは思えない。
似すぎる容姿はもちろんだが、
直感のような、心の奥がざわつく感じがあった。
言葉では言い切れない、何か。
こんなものは、彼だという証拠には何一つならないが、
それでも、強く感じたものがあることも確かだった。
「ケーキも届いたことですし、
さっそくですが依頼内容について話しましょう」
「あ、はい。実は、半年程前から、
ストーカーに悩んでいるんです。……これを」
鞄から封筒を取り出して、毛利さんに手渡す。
中に入った紙を見た毛利さんは、 眉を顰めた。
「これは……困りましたなぁ」
紙には、"俺は貴方の全てを知っている。
どこでも見えるからな"と書かれていて、
私の私生活の写真が、数枚貼られていた。
「最近では、留守番電話も入るようになって。
引っ越そうかとも考えたんです」
「こういう場合は、引っ越したところで、
無駄なことの方が多い。
とにかく相談してくれて良かったです。
さぞかし不安だったことでしょう。
あとはこの私に任せて……」
「彼女のことは僕に任せてもらえますか。毛利先生」
割って入ってきた安室さんは、
実は僕、毛利探偵の助手なんです。と、
私に向け、アイドルみたいなウインクをした。
「彼女と僕は歳が近いから、
僕が隣を歩いても怪しまれないですし、
むしろ恋人と勘違いして諦めてくれるかもしれません。
それに、ストーカーくらいなら
僕でも何とかなるでしょう」
つらつらと説得力のある言葉を並べた安室さん。
誰も気付いていないだろうが、
遠回しに、私達に拒否権を与えていない。
既に彼の策の上だ。
「確かに。今回はお前の方が適任かもしれんな。
一応、こいつも優秀な探偵の弟子ですから、
そういうことでも良いですか」
「私は構いませんよ」
「なら、そういうことで。
よろしくお願いしますね。Aさん」
気のせいかもしれないが、
安室さんの笑顔に威圧感があるように思える。
よろしくしなければ、殺されてしまいそうだ。
「よ、よろしくお願いします」
感動の再会であるべき場面は、
これからの波乱を予感させるものになった。
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ちゃむPOP(プロフ) - ナツみかんさん» 私も書いてても亀更新なので…笑 更新ありがとうございます！ (2018年5月7日 18時) (
レス) id: ff2e6e27e2 (このIDを非表示/違反報告)
ナツみかん(プロフ) - ちゃむPOPさん» ありがとうございます……！！ すみません、全然進んでなくて(o_o) それでも待っていただけるなんて……本当、涙しか出ないです。頑張らせていただきます！！ (2018年5月6日 15時) (レス) id: 691cadf074 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむPOP(プロフ) - めっちゃ面白いです！続き気になります…待ってます！！ (2018年5月5日 10時) (レス) id: ff2e6e27e2 (このIDを非表示/違反報告)
ナツみかん(プロフ) - nanoka(*´∀｀)さん» ありがとうございます！ まだ展開はぜんっぜん進んでない上、中々更新出来ていないのをお詫びします(~_~;) すみません！ このような作品でも気に入っていただけて嬉しいです。ご期待に添えるよう頑張らせていただきます！ (2018年3月23日 23時) (レス) id: 9c9f3cfc59 (このIDを非表示/違反報告)
nanoka(*´∀｀)(プロフ) - ｢もしかし、俺の嫁になるかもしれない｣ってセリフのところで、死にました。いつも更新有難うございます。陰ながら応援してます、これからも頑張ってください！ (2018年3月22日 21時) (レス) id: 3399c25298 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツみかん x他1人 | 作成日時：2018年3月13日 11時
