【名探偵コナン】 瘡蓋を剥がすな

13.合コンしようよ ページ15

安室さんとは依頼が解決してから
一度も会わないまま、一週間が経つ。

何となくこうなることは予想していたが、
実際にとなれば話は別だ。

彼が忙しいのを承知で連絡するのも躊躇われるし、
携帯の画面に映る降谷 零の連絡先を
ただただ見つめ、溜息を吐くばかりだった。

見つめていた画面が急に震えたので、
驚いてスマホを手放してしまいそうになるが、
慌てて受け止め、電話に出る。

「も、もしもし」

「もしもし、久しぶり。何で息切れてんの？」

「いや、ちょっと」

電話の相手は、大学時代からの友達だった。
そして、この歳では珍しい、独身仲間でもある。
世話焼きな性格で、こうしてたまに電話を掛けてくる。

「ふーん。まあいいや。合コンしようよ！
どうせ婚活進んでないんでしょ」

そして、合コンの誘いをしてくる。

「また？！ この前もやったじゃん」

「この前って一ヶ月前でしょ！
もっと積極的にならなきゃ。
三十路はもう目の前なのよ！
それにあんたは、自由な恋愛は今だけなんだから、今のうちに頑張らないと。
それとも何？ 忘れられない人がいる訳？」

「えっ……と、それ、は」

忘れられない人、と聞いて
真っ先に浮かんだのは、零くんの顔だった。
私の脳内の中でも、零くんはイケメンである。

「あー！ もしかして降谷くんとか言わないよね？
そりゃあ、降谷くんなんて、人生でもう出会うことのない完璧なイケメンだったけど、
未だに引きずってるのは正直ないわ」

「ま、まさか」

あまりに図星で、携帯を片手に肩を竦めた。

「まあ、そうよね。降谷くんじゃないにしても、
過去の男なんて忘れなさい。
じゃあ、日時と場所は後で連絡するから」

「えっ、ちょっと！ あー、切られた」

強引に電話を切られ、強引に参加する流れとなった合コン。
改めて来たラインには、
弁護士と医者と公務員のイケメン揃いだという情報が書かれていた。

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