序章 ６ ページ6
珍しく親しい友人ができた私は、前よりも学園が楽しくなった。
家よりも、景吾の隣に居る方がよっぽど安心できる。
そんな時期のある日。
夕飯の折に、お母様のいる席で
「最近、お嬢様の表情が柔らかくなった気が致します」と
使用人のメイドが口を滑らせた。
お母様の目の色が変わる。
気味の悪い冷や汗が、たらりと背中につたう。
激怒して狂乱状態に陥ったお母様は
私の頬を引っ叩き、その後丁寧に自ら手当をしてくれた。
「ごめんなさいね。あの使用人はクビにしたから安心なさい。
貴女は前と何も変わっていない。綺麗な肌......赤くなってしまって可哀想に。
本当にごめんなさい。」
冷やしたタオルをあてがい、献身的に私の頬を気にするお母様の目に
傷ついた我が子の姿は映っていなかった。
私は思い知らされた。
お母様には、
無表情、無感情の私しか価値がないのだと。
この母親が愛しているのは、
娘ではなく、自身の思い通りに動く人形なのだと。
お母様の歪な愛情を信じ、尽くしていた過去の自分を、記憶を、
跡形もなく消してしまいたかった。
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√ルート(プロフ) - 返信が遅れてしまい、申し訳ありません！！そんなに気に入って頂けるなんて、悩みながら書いた甲斐がありました...(笑)とても励みになります(≧▽≦) (2018年8月20日 2時) (
レス) id: 46231e2a59 (このIDを非表示/違反報告)
ユッキー(プロフ) - このお話、大好きです！文才力すごいですね！ (2018年8月16日 3時) (レス) id: 127851c6f5 (このIDを非表示/違反報告)
√ルート(プロフ) - くしぇるさん» 処女作でそんなことを言って頂けるなんて感謝感激雨あられです！新作でお会いできたときには、応援して下さると嬉しいです！ (2018年4月28日 11時) (レス) id: 46231e2a59 (このIDを非表示/違反報告)
くしぇる(プロフ) - めっちゃ面白かったです！！ (2018年4月26日 21時) (レス) id: bc0907c9ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：√ルート | 作成日時：2018年3月27日 23時
