序章 ５ ページ5
その後も、景吾とは一緒に行動するようになった。
大抵は、ひとりでいる私のところへ景吾が来てくれる。
周りにいる同級生たちを追い払い、私の元へ駆けてくると、
「行くぞ！」と手を引っ張って学園の裏庭まで逃げるのだ。
そのタイミングはいつも突然で。
一番驚いたのは、移動教室で音楽室に向かう途中。
同じクラスだから並んで歩いていた私と景吾。
すると、いきなり窓の外を指差して
「いま青い鳥が見えた！一之宮、追いかけるぞ！」と
先生の呼び止める声も無視して連れ去られたことだ。
唯我独尊の性格は、この頃から既に健在だった。
私には他に友人なんてものはいなかったから、景吾と一緒にいれば必然的に二人きり。
二人で学園中を探検して、二人で授業をサボった。
一度だけ訊いたことがある。
「跡部君は、私といて退屈じゃないの？」
普段通りに言ったつもりだったのだが、
何故が声が落ち込んでいることに後から気がついた。
不安な気持ちが押し寄せている私とは対照的に、
景吾はさも当然のことのように言った。
「あんな、おれの顔と地位しか見てないやつらといるより、
一之宮といた方が何倍も楽しいに決まってるだろ。」
その自信満々な言い方に、
勝手に憂(うつつ)を感じていたさっきまでの自分が
阿呆らしく思えて笑ってしまう。
いつの間にか、景吾といるときだけはお母様からの呪縛を感じなくなっていた。
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√ルート(プロフ) - 返信が遅れてしまい、申し訳ありません！！そんなに気に入って頂けるなんて、悩みながら書いた甲斐がありました...(笑)とても励みになります(≧▽≦) (2018年8月20日 2時) (
レス) id: 46231e2a59 (このIDを非表示/違反報告)
ユッキー(プロフ) - このお話、大好きです！文才力すごいですね！ (2018年8月16日 3時) (レス) id: 127851c6f5 (このIDを非表示/違反報告)
√ルート(プロフ) - くしぇるさん» 処女作でそんなことを言って頂けるなんて感謝感激雨あられです！新作でお会いできたときには、応援して下さると嬉しいです！ (2018年4月28日 11時) (レス) id: 46231e2a59 (このIDを非表示/違反報告)
くしぇる(プロフ) - めっちゃ面白かったです！！ (2018年4月26日 21時) (レス) id: bc0907c9ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：√ルート | 作成日時：2018年3月27日 23時
