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本章 10 ページ20

マネージャーの体験期間が終わって、残ったのは6人。
50人近くいたはずなのに、最終的にはたった6人。


仕事に限界を感じたとマネージャーを諦める同級生も多かったが、

私は家に帰ってもお父様が出迎えてくれることはなく、
たまに薔薇の女の人と出くわすと露骨に嫌がられるので
テニス部の仕事の方がよっぽど楽しく、夢中になれたのだ。





1ヶ月経ったところで
正式なマネージャーとして認められることとなり、
改めて部長に挨拶に行った。


キャプテンに付いてアヒルの子のように
ぞろぞろと部長の前に進み出たところで
2人の女子が「きゃあ!!」と叫び退場となり
結局4人になってしまった。


この1ヶ月間に知ったことだが、
現在の男子テニス部 部長は
この強豪校でレギュラーを張り、部長として活躍していることから
同級生,後輩問わず人気なんだとか。



毎年、この部長と顔面偏差値が高い部員めあてのマネージャー希望が
あまりにも多いため面接が設けられたらしい。



部長さんは、その綺麗な形の眉を下げ「はぁ」とひとつ溜息を吐いた。



「今までご苦労様でした。
貴方たちは今日から正式マネージャーです。
部員も多く大変だと思いますが、よろしくお願いします。」



三年生にも関わらず、丁寧な敬語が特徴的な人だった。

今の発言で私以外の3人は軽く頬を赤く染めているが...

顔だけならスペック高いことこの上ない景吾と一緒にいたからか。
それとも既に意中の人がいるからか。


あまり気にはならなかった。



「よろしくお願いします。」



4人で頭を下げコートの端に戻ると、キャプテンと目が合う。

この1ヶ月で最も柔らかい表情をしたキャプテンを見て
新入生のマネージャー教育の大変さを感じた。



改めて頭を下げる。




「キャプテン、これからもご指導よろしくお願いします。」

「うん。こっちも頼りにしてる。」



ポン、と頭を撫でられて顔を上げると
やっぱりキャプテンは大人の笑みを浮かべていて。




姉がいたらこんな感じなのかとふと頭に過ぎった。

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√ルート(プロフ) - 返信が遅れてしまい、申し訳ありません!!そんなに気に入って頂けるなんて、悩みながら書いた甲斐がありました...(笑)とても励みになります(≧▽≦) (2018年8月20日 2時) (レス) id: 46231e2a59 (このIDを非表示/違反報告)
ユッキー(プロフ) - このお話、大好きです!文才力すごいですね! (2018年8月16日 3時) (レス) id: 127851c6f5 (このIDを非表示/違反報告)
√ルート(プロフ) - くしぇるさん» 処女作でそんなことを言って頂けるなんて感謝感激雨あられです!新作でお会いできたときには、応援して下さると嬉しいです! (2018年4月28日 11時) (レス) id: 46231e2a59 (このIDを非表示/違反報告)
くしぇる(プロフ) - めっちゃ面白かったです!! (2018年4月26日 21時) (レス) id: bc0907c9ab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:√ルート | 作成日時:2018年3月27日 23時

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