本章 ８ ページ18
でも、景吾とこんな軽口を叩き合うのも久しぶりで。
マネージャーの仕事がどれだけ激務だったかを思い知らされた。
「...自分ら、付き合っとんの？」
その質問は、私どころか景吾まで固まらせるほど
唐突で衝撃的だった。
付き合ってる？私と景吾が？
お互いに顔を見合わせると、ほぼ同じタイミングで吹き出した。
「ないな。」
「ないわね。」
２人で盛大に笑う。
私が初対面の人の前で笑うなんて。
自分でも考えられないとは思ったけれど、笑いがおさまる気配はなかった。
忍足君は「そんなおもろいか？」と疑問に思っているようだが、
幼馴染の景吾を恋愛対象として見たことすらない私にとっては
爆笑以外の何物でもなかった。
「えらい仲ええみたいやし。そうなんかと。」
「だいたい此奴とは小せぇころからの幼馴染だしな。」
「この人の彼女になんてなったら苦労するのが目に見えてるもの。」
笑いを噛み殺しながら顔を上げると、
忍足君の色めきだった瞳が覗いていた。
長い睫毛に縁取られた、吸い込まれそうな。瞳。
「一之宮さーん！次 ２軍の休憩入るよー！」
キャプテンの声がこだまする。
どうやら準レギュラーのシャトルランが終わったらしい。
「私 呼ばれてるし、そろそろ行くわね？」
「おお。」
「引き留めて堪忍な。」
「気にしないで、久しぶりに大声で笑わせてもらったし。
...それじゃ、練習頑張ってね。景吾、忍足君。」
「ちょっと待ちぃな。」
嗚呼、もう。呼び止めないで頂戴よ。
さっきからどうも心臓が不穏な動きを見せていて、煩いんだから。
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√ルート(プロフ) - 返信が遅れてしまい、申し訳ありません！！そんなに気に入って頂けるなんて、悩みながら書いた甲斐がありました...(笑)とても励みになります(≧▽≦) (2018年8月20日 2時) (
レス) id: 46231e2a59 (このIDを非表示/違反報告)
ユッキー(プロフ) - このお話、大好きです！文才力すごいですね！ (2018年8月16日 3時) (レス) id: 127851c6f5 (このIDを非表示/違反報告)
√ルート(プロフ) - くしぇるさん» 処女作でそんなことを言って頂けるなんて感謝感激雨あられです！新作でお会いできたときには、応援して下さると嬉しいです！ (2018年4月28日 11時) (レス) id: 46231e2a59 (このIDを非表示/違反報告)
くしぇる(プロフ) - めっちゃ面白かったです！！ (2018年4月26日 21時) (レス) id: bc0907c9ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：√ルート | 作成日時：2018年3月27日 23時
